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Vol.24 世帯年収2000万超えのパワーカップルが離婚。夫を苦しめ続けた妻の「要求」

エスパー並みの「察し力」

彼女の機嫌が悪いときに『どうしたの?』って聞くと、それも怒られます。『もっと人の気持ちを想像して』と。それがわからないから言葉で言ってほしいんだと言うと、『もっと察して』『私を探って』。いやいや、ブルース・リーの“Don’t Think. Feel!(考えるな、感じろ)”じゃないんだから(笑)」  奈津さんは、そう言うだけあって「察し力」もすごかった。遠山さんが直接的に口に出さないモヤモヤした気分も、仕草や言葉尻といった最小のヒントで全部言い当ててくる。 「女性は男性に比べてそういう能力に長けていると聞いたことがありますが、長けてるなんてもんじゃない。ほとんどエスパーです写真はイメージです 奈津さんは、自分と同じだけの「察し力」を遠山さんにも求めた。 「『なんで私が悪夢にうなされるのか、考えて』と言われたことがあります。私がいま抱えているストレスはあなたのせいだ、とでも言いたかったんでしょうが、それにしてもねえ。僕、(『スター・ウォーズ』の)ジェダイじゃないし(笑)」

「このプロジェクトはあなたが責任者だよね?」

 奈津さんはまた、遠山さんに高い業務遂行能力を求めてきた。夫婦でアメリカ横断旅行をしたときのこと。 「現地で車を手配して代わりばんこに運転する、3週間ほどの旅でした。その途中、僕が急遽とある街に寄りたくなったので、奈津の了解を得て向かいました。ただ到着したはいいんですが、その日がたまたま街をあげた何かのイベントの開催日で、普通のモーテルでも宿泊費が数百ドルもすることが判明したんです。それで奈津にどうしようか相談しました。おとなしく払うか、他に安いところを探すか、値段交渉するか、今から別の町に移動するか」  しかし奈津さんからは、冷たい返事が返ってきた。 「このプロジェクトはあなたが責任者だよね? だったら、いま直面してる問題はあなたが収束させなさい――と言われました。デートでも旅行でも、なんでもそうなんです。あらゆる事態をシミュレーションして最適化する方法を見つけなさい、と」
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常人が察知しないノイズを察知する
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