「とにかく、何時にご飯を食べるから今日はウナギのかば焼きを用意しておけとか、毎日がこまかな指示で溢(あふ)れています。
口ごたえでもしようものなら、大声で怒鳴り散らしてテーブルの脚をへし折ったり私をぶったりするので、何も言い返さないことにしています。
なので暴力はないですが、何かの拍子に『返事の声がきたない』と威嚇(いかく)してきたりするので怖いですね」

モラハラにも拍車がかかっているという。
「今では彼、部屋のマットやタオル一枚まで、自分のこだわるもの以外は排除。本やファイルをどこにどう並べるかまで、私のものは無視してすべて統一しようとします。
このあたりの彼の言動は、私のアルコール依存の先生にも相談しましたが、
夫もなんらかの精神的な病の可能性は高いだろうとのことでした。でも彼自身が病院に行くつもりがまったくないでしょうから、現状を私が受け入れて暮らすしかないんです」
定期的に精神科で先生に話を聞いてもらえるのが、一番の“クスリ”になっているのかもとルカさんは言う。穏やかな気持ちになれて、昔の元気でハツラツとしていた自分に戻ろうという前向きな気持ちになれるのだという。
先週、何年振りかで、かつて書きかけていた小説を仕上げてみたそうだ。近々、元いた出版社に持ち込むつもりだと言っていた。仕事仲間にもよくLINEをするなど、今まで滞っていた交流も復活しはじめていて、また編集の仕事も請け負うことになりそうだという。
「ネットで調べたんですが、精神科に通っていても、私みたいに仕事はなんとかできているという人は意外と多いみたいですね。まあ、そんなみんなも私も、なんとか日常生活を普通にこなしたくて必死なんです。立ち止まっていられないから」