国際ロマンス詐欺で騙し取られたお金を取り返すのは、非常に困難
「まず大前提として、国際ロマンス詐欺で騙し取られたお金を取り戻すのは非常に困難なんです。まじめな弁護士はそのことを知っているので、頼まれればやるかもしれないけれど、
広告を出してまで積極的に専門でやろうとはしません」(東京弁護士会の方々/以下カッコ内同)
取り返せないことが多いというのは、どういった理由からなのでしょうか。

「国際ロマンス詐欺での送金のさせ方は、口座振り込みと暗号資産(仮想通貨)の2つのパターンがあります。暗号資産で払ったものを暗号資産で取り返すのは事実上不可能です。そのため、『暗号資産による支払いの場合でも取り戻せる』と言うところは気を付けたほうが良いでしょう。
口座振り込みで送金したとしても、詐欺師はいつまでも口座にお金を置いておかず、入金されたらすぐ出金してしまうことが多いのです。
弁護士がサイト上で『相手の口座凍結ができる』と説明していることがあるのですが、弁護士なら誰でも口座凍結はできます。
でも
残金のない銀行口座を凍結したところで、騙し取られたお金は戻ってきません」
詐欺に遭い、焦って困っているタイミングでまた騙される
「たまたまお金がある口座を凍結できたとしても、複数人の被害者がいることが多いので、差し押さえたお金は被害者の人数と被害額に応じて割ることになり、戻ってきてもごくわずかなのです。
ごくまれに取り戻せた事例はないわけではないようですが、特殊な事情によるレアケースであって、繰り返しますが、国際ロマンス詐欺被害にあった場合のお金は取り戻せないことの方が圧倒的に多いのです」

国際ロマンス詐欺で取られたお金を確実に取り返せるように期待を抱かせる広告は、誇大広告に該当するはずです。「弁護士広告規程」でも、誇大または過度な期待を抱かせる広告は禁止されているそうです。
詐欺に遭い、焦って困っているタイミングで、弁護士という専門家から「
大丈夫。取り戻します」と言われたら信じたくなるのも分かる気がするのですが、そういう弁護士こそが危険なのだそう。