基本的に岩田のソロ楽曲は、チルなポップスとは言えそうだが、ジャンルの定義が難しい。彼がモットーにしてる「take it easy」的に、焦らない、焦らない、ゆったり、まったりが、その基本姿勢。インコグニートに代表されるアシッドジャズとも言われたりするが、まあ今の段階で、そんなに焦って定義づける必要もない。肩の力を抜いて、ちょい脱力気味くらいがちょうどよい気がする。ゆったりまったりな音楽の中で、ボーダーレスな岩田剛典感を楽しめば、それでいい。
客席でもほんとうにちゃんとそのことを理解している雰囲気だった。というのも、筆者が本コラムを書くためにメモを取っていると、隣の席の女性ふたり(まったくの初対面!)が、とても気さくな笑顔をこちらに投げかけてさりげなくペンライトで手元を照らしてくれたのだ。いいなあ、このチルな緩さ。岩田にとっての「the only one」であるファンもまたこうしてボーダーレスで温かく、チルな基本姿勢にならっていた。