「子どもにワクチンを1本も打ってないことが不安になった」ディープな“自然派育児”から抜けだした女性が語る後悔
「入園が近づいてきて、ワクチンを1本も打ってないことが不安になってきたんですよね。入園申込みのときに聞かれましたし。それからコロナ禍がはじまり、海外赴任の夫も帰国できなくて、現地もいろいろ大変なことになっている。なのに、参政党のメンバーが海外のコロナの事情について適当なことを語っていたり、波動で無毒化! とか言ってるの見て唖然としてしまって。参政党は自然派傾倒が強いので、当然自然派ママたちは、共感して支持する。そんな光景を見ていたら、過去の違和感もあわせてなんだかおかしな世界だと、気持が離れていきました。沼抜けできたのはある意味、参政党のおかげかもしれません」
こうしてMさんは、約4年にわたる自然派沼をみずから脱出した。今は子どもにせがまれるがまま、週1ペースで家族でマクドナルドを楽しんでいる。
自然派沼にハマりつづける人たち
沼抜けを支えてくれたものとは?
「自然派ママだけの中で生きてたら、きっと今も沼の中だったでしょう。私はめんどくさがりで不器用で自然派にハマる才能がなかったこともあるでしょうけど、ママ友たちとの関係が切れても、別のコミュニティがあったことも、大きいです」
これはどんな沼にも当てはまる。よりどころとなるコミュニティは、複数あるにこしたことはない。さらにMさんの場合は、無理せず自分のできる範囲で自然派育児に取り組んでいたので、沼の浅いところで留まっていた。だから比較的速やかに、沼から出てこられたのだろう。それでも金銭面や科学的根拠のない健康情報を信じ実践していた点を、「私の黒歴史です」と語るMさんだった。
【前々回の記事】⇒子どもにワクチン打たせない、薬も飲ませない…“自然派育児”をするママの沼
【前回の記事】⇒赤ちゃんのおしり丸出しでピクニック?ディープな“自然派ママ”の仲間だった私が黒歴史を語る
<文・取材/山田ノジル>山田ノジル
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。


