それ以降は、夫に何と言われても行く気を失った。行きたいなら風俗にでも行ってと突き放すと、夫は機嫌を損ねたようだ。
「男ひとりでも参加できる乱交系のパーティに参加するようになったみたいですね。そういうところに行ってきては、『おまえはつまらない女だ』と言い始めた。うちは共働きですから、私もいつでも離婚してやるよという気持ちだった。
息子が来年、大学に受かったら離婚します」

あのままマンネリ夫婦でいてもよかったかもしれないとミサキさんは言う。そうすれば夫にここまでがっかりさせられることもなかったし、険悪な雰囲気のまま同居する状態を維持しなくてもよかった。そんな思いもある。
「
行くならお互いの気持ちがきちんと一致していることが重要だと思いますね。私のような悲しい経験をする人がいないように」
ミサキさんは、少しせつなそうに言った。
ドラマ最終回では、ナイトアクアリウム(夫婦交換パーティ)の主宰者・窪塚夫婦に危機が訪れていた。彼らは新たな刺激を必要としていたのだ。
「私たちも新たな刺激を求めて、一時期、夫婦交換をやめていたことがあります」
そう話してくれたのは、エツコさん(仮名・52歳)だ。高校時代の同級生と23歳のときに結婚。双子の娘と、さらに長男に恵まれ、子育てと家業に必死になっていた。一息ついたのが40代前半。夫が飲みに出かけるようになって浮気が発覚。それを気に夫から「
もう一度、夫婦としてやり直したい」と言われた。

「私の短大時代の友人に相談したら、彼女に『
私たち夫婦が参加している夫婦交換のパーティに来ない?』と言われて。びっくりしましたよ、そんなことしてるのって。彼女は『一度来てみてよ。見るだけでいいから』と。夫に言ったら喜んじゃって。
見に行ったとき、夫は私に対して、いつもとは違ってとても紳士的でした。周りが見ているからということではなく、『
オレはおまえが嫌がることは絶対させないから』と言ってくれた。私がなじめそうなら続けよう、嫌ならやめようって、やたら頼れる男性に変貌していましたね。今思えば、夫自身が緊張していたんだと思う。でも私をリラックスさせるように仕向けてくれた。あれだけでも夫に対して新鮮な発見がありました」