以前、家族で自分の実家に行くとき、妻のファッションが気になることがあった。
「ノースリーブに胸元も大きく開いたワンピースだったんです。電車だし、親の反応も気になって『もうちょっと地味な恰好(かっこう)にしたら?』と言ってしまった。妻は不服そうでしたが、Tシャツとジーンズに着替えてきました。
妻がやたらと女っぽいかっこうをしているのは、なんだか気恥ずかしいんですよ。夫婦でデートならいいけど、家族で僕の実家に行くわけだから。そのへんも気遣いしてほしいとは言いました」
妻にすれば、着たい服を着てなぜ悪いということになるのだろう。ふだん、リモートワークが多く、ひとりで子連れだとワンピースも着られない、こんなときだからこそ着たいのにと妻は文句を言った。

ハンドソープが切れていると文句を言うだけで動かない
「妻が忙しいときに限って、僕がいろいろ頼みごとをするとも言われました。妻が言うには、『私が子どもにまとわりつかれながら夕飯の支度をしているとき、あなたが帰ってくることが多い。それでマンションのロビーにある郵便受けに郵便がたまっていたとか、洗面所のハンドソープが切れているとか、立て続けに文句を言う。今、私がどういう状況かをどうして察してくれないのか』と。
そもそもハンドソープが切れているなら、洗面所にストックがあるのだから黙ってボトルに入れてくれればいいじゃない、と」
そこが問題なのだろう。夫は、家に帰ってきたら、何不自由なくすべてが整っているものだと勘違いしているのだ。整えているのは妻なのに。その労を考えようとしないところに妻が怒っていることをわかっていない夫が多すぎるのではないだろうか。