佐藤健主演『First Love 初恋』を今こそ見てほしい!死角のない演技をひも解く
満島ひかりと佐藤健がW主演するNetflixオリジナルドラマ『First Love 初恋』が、2022年11月24日から配信されている。
タイトルの通り、宇多田ヒカルの大ヒット曲にインスパイアされている本作は、野口也英(満島ひかり)と並木晴道(佐藤健)が織りなす19年間の恋物語が綴られる。
本作が配信されたのは2022年の11月だったわけだが、全9話全編にわたって雪の情景が描写されるのだから、これは何としても冬が深まった頃に見たいところだった。それで筆者の場合は、年末から年始にかけての北海道出張のタイミングが絶好の機会となり、実際に札幌の雪景色と比べながら本作の画面を見つめることができた。
でも雪を撮影するのは想像以上に難しく、何か嘘くさくて雪国のリアリティが全然感じられないなと思う凡作が多い。本作の場合、札幌フィルムコミッションが全面協力したというだけあって、見事な雪景色をフレームにおさめている。
その雪景色の中、生々しい息づかいを伝えるのが、佐藤健だ。一途な心を持った並木晴道を演じる佐藤が、新たな冬ドラマの温もりを感じさせる。といっても、晴道の頭上に意味深い雪がはらはらと降るまでには、全9話のドラマのだいぶ終盤まで待たなければならないのだけれど。
佐藤健。この固有名詞、それだけで後光がさすようなまばゆさ。彼の名前、その輝かしいキャリアが発するまばゆさは、名実ともに折り紙付き。これまでに出演したどの映画、どのドラマを思い出してみても、彼の代表作といえる。
たとえば、黒沢清監督の『リアル~完全なる首長竜の日~』(2013年)。等身大の恋人像を体現する佐藤の驚くべき透明感と存在感は慎ましく、清らかだった。テレビドラマ作品だと、ラブコメの新たな金字塔として大ヒットを記録した『恋はつづくよどこまでも』(2020年、TBS系)が外せない。
今やTBSドラマ作品には欠かせない、ラブコメの門番、金子ありさの脚本世界を自由奔放に動き回るドSな王子様キャラが毎話で、“萌え”必至、超がつくくらい胸キュンな名場面を製造するラブコメ工場のような量産体制を生み出した。
向かうところ敵なし。揺るぎないキャリアを盤石にする佐藤だが、『First Love 初恋』でもまた驚くほど素直に彼の魅力が映り込んでいる。
「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、冬の叙情にきらめき、映える佐藤健の超絶技巧的な演技を紐解く。#満島ひかり × #佐藤健 W主演
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) November 15, 2022
「First Love 初恋」新アート公開!
美しい世界観の中で、也英と晴道ふたりの距離はさらに近づき、目が離せないビジュアルとなっている。
11月24日より独占配信。#FirstLove初恋 pic.twitter.com/j8RE20asYm