男同士の官能ほとばしるキスに釘付け。BLドラマ『飴色パラドックス』に漂う“匂い“
MBS(毎日放送)が2022年4月期から1年間限定で新設した「ドラマシャワー」枠にて、毎週木曜日25時29分から、『飴色パラドックス』が放送されている。
『不幸くんはキスするしかない!』を誘い水として、BLドラマ作品に特化してきたこの放送枠終盤戦。LDH所属の次世代中核を担う「FANTASTICS from EXILE TRIBE」のパフォーマー木村慧人とダンスヴォーカルユニット「M!LK」の山中柔太朗がW主演する本作が、これまた濃厚、濃密なドラマ世界を構築している。
「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、BLドラマの変遷を追いながら、官能ほとばしる本作のBL世界とその進化に迫る。
※『飴色パラドックス』はTver等で見逃し配信、Huluで独占配信されています
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いわずもがな、BLとは、「ボーイズラブ」のこと。男性と男性が恋愛する物語がBLドラマである。
そもそもBLというワードが世間でじわじわ浸透しはじめたのは、2010年代前後のこと。それまでは一部の愛好家に受容され、ひそかに楽しまれていたにすぎなかったこのジャンルが、テレビドラマ作品として広く受容されるようになったのが、田中圭主演の『おっさんずラブ』(テレビ朝日系、2016年)だった。
同作をエポックメイキングに、自由で真摯な男性間の恋愛観に時代がやっと追いついたという印象がある。2020年には、赤楚衛二と町田啓太が演じた安達・黒沢コンビの特大胸キュンドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系、2020年、以下、『チェリまほ』)にいたって王道スタイルを確立。
KADOKAWAのBLドラマレーベル「トゥンク」が設立され、MBSドラマに「ドラマシャワー」枠と連動した2022年は、BLドラマを毎クール楽しめるようになった。
でもこのジャンル、定義はいたってシンプルなのだけれど、BLの世界観には、異性間の恋愛関係にはない特別な雰囲気というか、“匂い”みたいなものが感じられ、これをはっきりした言葉で表現するのがとても難しい。
筆者激推しのLDHイケメン八木勇征が主演した『美しい彼』(MBS、2021年)では、さすが凪良ゆう原作だけあって、ドラマ冒頭からBLドラマの定義をうまく言い表してくれた。
「まるで引き潮に乗せられたみたない感覚。引力めいたものに引きずられて、彼から目が離せない」
主人公・平良一成(萩原利久)が自己紹介につまったところ、教室へ遅刻して入ってきた清居奏(八木勇征)に一目惚れするこのモノローグ。ははーん、なるほど。BLドラマとはたぶんこの「引力」のことだと思った。で、筆者は続けてある曲の歌詞を思い浮かべてみた。
BLドラマの変遷
BLを定義づける「引力」
©︎「飴色パラドックス」製作委員会・MBS
ドラマシャワー「飴色パラドックス」
MBSほか 毎週木曜25:29~
ドラマシャワー「飴色パラドックス」
MBSほか 毎週木曜25:29~




