男同士の官能ほとばしるキスに釘付け。BLドラマ『飴色パラドックス』に漂う“匂い“
BLの世界観に感じる“匂い”
不思議な情愛にすり替わる転換
男性同士が恋愛するとはいっても、物語のはじめから好き同士でいるわけではない。ふたりがだんだん惹かれ合っていく距離のドラマは異性間と同じだ。それでよく使われるのが会社の同期という設定。『チェリまほ』では、間抜けで冴えない安達と同期でトップの営業成績を誇る黒沢との関係性が前提にあって、安達の嫉妬(半ば憧れ?)がいつしか慈しみに変化するところに核心があった。「ドラマシャワー」枠で放送中の『飴色パラドックス』でもまた同じような感情のベクトルで“同期”設定が採用されている。
週刊「DASH!」で事件記事を担当する尾上聡(木村慧人)は、担当した記事が巻頭を飾ると喜んでいた矢先、最新号の巻頭が別のスクープで差し替えられてしまう。記事担当は、同期のカメラマン蕪木元治(山中柔太朗)。尾上は、出来る存在である蕪木のことを「とにかくムカつく野郎」といって毛嫌いしている。蕪木が所属する張込み班に異動になると、はじめこそ蕪木の欠点をひとつでも多く見つけようとする。
安達同様に尾上が抱く同期へのこうした嫉妬の感情は、どっこい、いつしか本人にもよくわからない、言葉ではっきりとは説明出来ない情愛にすり替わる。この転換、ほとんどマジックのようなのだけれど、これこそ不思議な匂い漂うBLの世界観に生きる男たちの秀逸で、絶妙、かゆいところに手が届くような心地よさを感じさせる関係性なのであるから、いやはや奥深い!
©︎「飴色パラドックス」製作委員会・MBS
ドラマシャワー「飴色パラドックス」
MBSほか 毎週木曜25:29~
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