夫の暴言や義母の態度をひそかに録画、メモもとっていた
週末になると、相変わらず義母がやってきて掃除や洗濯までしてくれた。それはありがたかったが、義母がするのは夫の分の洗濯物だけ。
「
夫のためにならない妻は、いるだけムダねと義母が言い、夫もヘラヘラ笑ってる。つわりを乗り越えて無事に出産したら、絶対に離婚しようと心に誓いました」

彼女はひそかに夫の暴言や義母の態度を録画し、細かくメモをとっていた。子どもが女の子だとわかったとき、義父が「使えない嫁だ」と言ったことも録音されている。
「夫の実家は小さいながら会社を経営していて、夫はいずれ今の会社を辞めて家業の社長になることが決まっていた。だから跡取りを産んでほしかったんでしょうけど、私は女の子でホッとしました」
出産したときも、義父母は孫の顔さえ見に来なかった。それから1年、彼女は友人たちの協力を得てアパートを借り、娘とともに家を出た。テーブルの上にサイン済みの離婚届を置いて。
「会社では違うフロアだったのでめったに会わないけど、たまに顔を合わせても知らん顔されました。離婚に関しても反応なしだったので、調停を申し立てたんです」

調停は不成立、審判へと移り、2年かけてようやく離婚が成立した。その過程で夫や義母の暴言も炙(あぶ)り出された。
「
友人たちが協力してくれて、夫の非道なおこないが社内でも噂になって。夫は離婚成立前に退職しました。退職する日にたまたま社内で出くわしてしまったんですが、夫は『おまえに会ったのがオレの不幸だった』と。近くでそれを聞いた同僚が『いいかげんにしろよ、かっこ悪いぞ』と言うほどでした」