山崎育三郎はナルシスト天才っぷりが最高!ドラマ『リエゾン』に見る妙技
映像作品で活躍するイケメン俳優は多いけれど、ドラマや映画に加えてミュージカルや演劇でも第一線で活動し続けるイケメンとなると、山崎育三郎の他に思いつかない。
児童精神科クリニックを舞台に、人と人の“つながり”を描いた『リエゾン こどものこころ診療所』(テレビ朝日系・毎週金曜日よる11時15分~)は、絶対的プリンス山崎育三郎のプロの妙技がこれでもかと織り込まれたドラマだ。
「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、人生を“バラ色”にしてくれる山崎育三郎マジックに迫る。
木村拓哉は何をやっても木村拓哉だとよく言われるけれど、山崎育三郎もまた似た感覚の俳優だと思う。
山崎育三郎のイメージは、筋金入りのナルシスト。兎にも角にもナルシストの天才。ミュージカル界のプリンスとして不動の地位を築く山崎だが、ミュージカル仕込みのかなりおおげさな演技は映像作品でも通用してしまうのだからすごい。それも恥ずかしいくらいに大手を広げて演技をする姿は、気恥ずかしさを通り越してもはやすがすがしい。
竹野内豊主演の映画『イチケイのカラス』(2023年)では、カリスマ的な雰囲気をこれ見よがしに漂わせる検事を演じているが、これがまた超ナルシスト。裁判中に口を開けば、そこはもはや完全にミュージカルの舞台上。公判場面が、山崎育三郎の独壇場と化していた。映画だろうがなんだろうが、彼はナルシストの天才であることから絶対にぶれない。
今回の主演最新作ドラマ『リエゾン』を見ても期待を裏切らない。森の中でひっそりと児童精神科の「さやま・こどもクリニック」を開いている佐山卓(山崎育三郎)の朝の目覚めは、まずチェロの演奏からはじまる。そうかと思えば得意のパキッとした動きですっくと椅子から立ち上がる。
このあたりが、ドラマ冒頭からすでに山崎育三郎劇場のはじまりはじまりという感じ。この人、たまには普通に出来ないものかと思っても諦めてこのコミカルな演技を楽しむより他ない。
パキッと俊敏に動いたあとは、ドアを開け放って外の空気をたっぷり吸い込む。次に砂時計をひっくり返して、歯を磨く。朝の準備に砂時計とくるのが、山崎育三郎劇場の世界観を象徴する流儀なのである。

画像:テレビ朝日『リエゾン―こどものこころ診療所―』公式サイトより
ナルシストの天才
山崎育三郎劇場の流儀
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