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イェール大・成田悠輔氏の“集団自殺”発言、世界中で怒られるより笑われた「あなたから切腹どうぞw」

②カナダの安楽死制度を思えば他人事ではない

『HIGHSNOBIETY JAPAN ISSUE09+ YUSUKE NARITA』カエルム

『HIGHSNOBIETY JAPAN ISSUE09+ YUSUKE NARITA』カエルム

 いくつかの先例がある欧米では、権力による人間の仕分けが合法的な殺人を可能にしかねないとの危惧を抱いたようです。特に安楽死の適用を拡大しているカナダを思い浮かべる人が多かった。  成田氏を取り上げた『ニューヨーク・タイムズ』を受けて、イギリスの週刊誌『スペクテイター The Spectator』の編集者、スティーブン・ミラー氏は<アメリカのメディアはカナダの安楽死制度を急速に後押ししている。“Xを試したらどうなるか”ということをきっかけに物事は始まる>(@redsteeze)とツイート。『ニューヨーク・タイムズ』の記事が、成田氏への批判ではなく、むしろ世論を誘導するかのような問題提起だととらえていました。  一般読者もカナダの安楽死制度を思い出し、<カナダのアイデアを宣伝すんなよ>(『ザ・テレグラフ』)とのコメントが多くの共感を集めていました。  先に法制化されているからといって、完全なコンセンサスが得られているわけではないという欧米の事情が垣間見えます。

③優生思想、大量虐殺?悲惨な歴史を思い出す

 経済的合理性からの提言が、生命の尊厳や人権を踏みにじっているのではないかと違和感を感じ、悲惨な過去を思い起こす人も少なくありませんでした。  ナチスドイツによるホロコーストにたとえたツイートなどに加え、<ネオリベ版ポルポトの爆誕>(@pogorelov_ian)という秀逸なコピーも生まれました。  こうしたソリューション重視の思考を揶揄(やゆ)して、<人に教育を与えることはできても賢くすることまではできないんだな。彼(成田氏)が愚かさで死ぬことはなくても、年を取れば死ぬだけ>(『デイリー・ミラー』)と強烈なカウンターパンチを食らわせる読者もいました。
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“は?何言ってんだ?”という驚き
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