Lifestyle

あなたの胃は大丈夫?食べ過ぎ&ストレスで意外に大きい“胃の負担”を医師が解説

季節の変わり目の寒暖差や飛び交う花粉もあってか、地味に体調を崩しがちなこの時期。さらに年度末に向かうバタバタもあってストレスがかかったり、食生活も乱れがち。「最近、胃が重くて……」という人も多いのではないでしょうか?
胃痛 腹痛 生理痛

写真はイメージです(以下同じ)

「胃や腸は臓器として大きく、調子を崩すと体力を奪われますし、気持ちも塞(ふさ)ぎがちになります。胃にやさしい生活を送ることはとても大切です」 そう語るのは、福岡県みやま市にある工藤内科副院長・工藤あき先生。胃に負担をかけない、食べ方&過ごし方を教えてもらいました。

胃の不調をもたらすのは「胃の働きすぎ」

「胃の役割は、口で咀嚼された食べものを、さらにおかゆのような状態にして腸に送ること。胃は一生懸命動いて、食べものを消化しているんですね。でも、しっかり噛まなかったり、一度に大量に入ってきたり、あぶらっこいものが多かったりすると、消化に時間がかかってしまいます。結果、胃に負担がかかり、胃の動きが悪くなってしまうんです」(工藤あき医師 以下カギカッコ内同じ)
工藤あき先生

消化器内科医の工藤あき先生

食べすぎや飲みすぎ、早食い、脂質の多いメニュー、どれも、ダイエットによくない食べ方だけど、胃へのダメージも大。あともう一つ、避けたほうがいいのは「遅い時間の食事」。こちらも胃に大きな負担を与えるのだそう。 「寝ている間、胃では残った食べかすを十二指腸に送る“大掃除“が行われています。でも、胃の中に食べものが残っていると、消化と大掃除を同時にしなくてはいけなくなります。理想は、お腹が空っぽの状態で寝ること。それが難しくても、せめて就寝2~3時間前までには夕食を終えてほしいなと思います」 胃痛 就寝

ストレスが原因で胃の働きが落ちることも

また、メンタルも胃の働きに影響を与えるのだとか。 「胃の動きは自律神経とも関係があります。緊張状態が続いたりすると交感神経が優位になり、胃の運動や胃酸の分泌が減少。ストレスが原因で胃の働きが落ちて消化がうまくいかないというケースも多いんです。年度替わりでライフスタイルが変化するこの時期、胃の不調を訴える人が多いのはこうした理由もあるかもしれません」 さらに、胃の動きが低下すると、食べ物が長時間、胃にとどまる「胃排出遅延」という状態になることも。 「通常、固形物やあぶらっこいものでも、胃に入ってだいたい3~4時間で消化され、腸へと送られます。胃排出遅延になると、消化にそれ以上の時間がかかり、胃もたれの状態が続き、食べられない。満足に食べられないそれがストレスになって、胃の動きが落ちてしまう…そんな負のループにハマってしまうこともあります」 ストレス

胃だって休みたい! 胃に負担をかけない生活とは?

では、胃への負担を少なくするためには、どうしたらいいのかというと、「胃を休ませてあげるのがいちばん」と工藤先生。私たちが健やかに働くために「休日」が絶対必要なように、胃だって休みたいのです。 「『調子悪いからスタミナつけなきゃ』と脂っこいものやお肉系を食べるのは×。胃が疲れている、胃がもたれているというときは無理しないのが基本です。もし、食べるとしたら、おかゆや湯豆腐などあっさりとしたものを。あと、生の大根はアミラーゼなどの消化酵素が含まれていて消化を助けてくれますのでおすすめ。また、機能性ヨーグルトを活用するのもいいのではないでしょうか」 ヨーグルトお肉やお魚料理には大根おろしを薬味に添えて、副菜に大根サラダ。そして、食後のデザートは機能性ヨーグルト、なんてメニューはいいかも。例えば、「LG21」というヨーグルトは胃の負担をやわらげる効果があるそう。 ただ、胃にやさしい生活を心がけていても、ついつい食べすぎてしまうことはあるもの。年度末に向かって、歓送迎会などつい食べすぎて、胃に負担をかける機会も増えるはず。そんなときはどうしたらいい? 飲み会「飲み会や食事会など、楽しむときは楽しんでいいと思います。で、翌日は『おなかがすいたな』と思うまで食事を控える。そんなふうに前後数日で調節するといいと思います。胃がへとへとになっているのに、ずっと負担をかけ続けるとなかなか良くなりません。どこかで、リセットをすることが大切です」

胃に負担をかけない生活で自分にやさしく!

もちろん、リセットは「心」にも大切。 「先ほど言ったように、ストレスがあると胃の動きが落ちてしまいます。リフレッシュは大切。ハードな運動をする必要はありません。ざわざわした日常でも、どこかで自分の好きなことをする時間を持つなど、そんな工夫をご自身でしてほしいと思います」 サイクリング 自転車胃に負担をかけない生活は、「自分にやさしくする」ことにつながります。何をどう食べるかを少し意識して、体調万全で新しい春を迎えましょう! 【福岡県みやま市 工藤内科 副院長 工藤あき医師】 消化器内科医・美腸・美肌評論家。一般内科医として地域医療に貢献する一方、腸内細菌・腸内フローラに精通。NHK『ひるまえほっと』、フジテレビ『ホンマでっか!?TV』などに出演。著書に『老けない人が食べているもの』(アスコム)、『体が整う水曜日の漢方』(大和書房)など。日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医。instagram:kudouaki_kudounaika <文/鈴木靖子>
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ