男の子たちの、あまりにもそっくりな夫や義弟の真似に驚いていると、今度は加須さんの娘さんが衝撃的な一言を言い放ちました。
「娘の口から出た言葉が、
『もういいよ』『ガマンしよ』……。幼稚園児ですよ? いとこの女の子も合わせて
『めんどくさいもんね』『言ってもむだむだ』って。私たちの会話そっくりそのままコピーしていたんです。
そして追い打ちをかけるように、今度は息子と従妹のお兄ちゃん二人が、『ゆっくりしてていいのにー』と義母の嫌味をとにかく大声で連呼してきて(笑)。もはや笑っちゃいますよね」

大人たちは子どもにありのままを真似されてバツが悪くて固まっているし、子どもたちはあくまでも“ごっこ遊び”なので、無邪気に笑いながらいつまでも続けるという……。場の空気は凍り付き、絶句する大人たちをよそに、子どもたちのごっこ遊びはしばらくブームとして続いたそうです。
最初は大人たちも「いやあね~(苦笑い)」「なにやってんだ」と冗談交じりにごまかしていたそうですが、子どもたちは場所も時間もおかまいなしに“我が家のおままごと”を繰り広げます。
「本当によく見ているから、義理の母はどんどん嫌味な悪いおばあちゃんキャラになるし、夫や義弟はまったく何もしない、言わない無能キャラをそのまま真似され続けて(笑)。
そし私と弟の奥さんは、どこまでも奴隷キャラ。でも、さすがにこれが“当たり前”だと思われてしまうのはちょっと……。
女性は働かさされて、男性はふんぞりかえって休んでいいみたいな悪い風習を、子どもたちに植え付けてしまうのはどうしても避けたいなと」
そこで大人たち全員に、あるお願いをします。
「自分たちの娘に、将来、結婚相手の家庭でこき使われるのが当たり前だと思わせていいのか。息子たちが、妻のことすら守れない、役立たずで何も言えない無能な男でいいのか。
このままじゃ子どもたちが不幸になるぞ!って、全員に言ってやったんです。……ものすごくスッキリしました。
子どもたちのことになると真剣に考えるのか、夫も弟も、義理の母もそれから自発的に動くようになり、きつい言葉遣いや悪口も少し減りました」