脊髄断裂による下半身麻痺が判明!獣医師の言葉に救われた
保護した日から飼い主さんらは毎日、おしりをぬるま湯で洗い、薬を塗布。ペースト状のフードをスプーンで1日5回食べさせました。排泄が上手くできないので、お腹のマッサージも行いました。

迎えて2日目、子猫は自らご飯を食べるように。3日目には段ボールの中を探索し、1週間後にはおもちゃで遊び始めました。
しかし、やはり後ろ足は動かず、引きずったまま移動。尿や便は垂れ流し状態でした。
「排尿に気づいていないように見えたので、下半身が麻痺しているのだろうなと。だから、寝ている時だけオムツをさせ、1日に何度もシャワーをし、傷口を清潔に保ちました」
体重が500gになったのは、保護から4週間後のこと。お尻の傷は保護から6週間後、ようやく完治しました。

その後、かかりつけ医の紹介で精密検査ができる病院へ。MRIや血液検査、CTなどを行った結果、レントゲンでは見えにくい腰骨が骨折して脊髄断裂が起こり、下半身麻痺になったとの診断が下されました。

悲しい結果に、飼い主さんは愕然。しかし、獣医師さんの「後ろ足が治る見込みはないけれど、カルテを見て話を聞いたり、この子の顔を見たりしていると、きちんとお世話できているのが伝わります。
脊髄断裂以外は検査結果もすごくいいし、数ヶ月前まで栄養不良であったとは思えない回復。ぴのちゃんは、きっと幸せです」という言葉で、不安や心配が吹き飛びました。
障害猫はかわいそうと思われることが多いものですが、ぴのちゃんが自力でできないのは排泄のみ。排泄も圧迫排尿は必要なく、お腹をマッサージして内臓の動きを促せば、1回でしっかり出してくれるように。

便秘は食物繊維をフードに混ぜ、週に1回肛門付近をオリーブオイルでマッサージすることで改善されました。
「ソファーや椅子くらいなら、前足を使って登ります。より高所へ行きたい時は体に登ってくるので、抱き上げて家の中でグルグルするんです」
ぴのちゃんと暮らすにあたり、怪我をしたり、体に引っかかってコンセントが抜けたりすることがないよう、飼い主さんはコンセントの位置を見直し。玄関前の扉には30cmほどのバリケードを付けて落下防止をしながら、横方向の行動範囲を拡張。

玄関のバリケード
今後はスロープ式のキャットウォークを作りたいと意欲を燃やしています。