醜形恐怖症は思春期に発症することが多い傾向にありますが、その理由や原因は何なのでしょうか。

写真はイメージです。(以下同じ)
「これは強迫性障害にも共通しているのですが、他人と比べることの多くなる思春期に発症するケースが3分の2に及びます。また、原因としては遺伝と考えられる点もあります。また、妊娠出産の後に発症するケースもあるので、若干男性よりも女性のほうが多いです。でも、男性の患者さんでも身長が低いことに悩んで自ら命を断ってしまった患者さんもいました」
原井クリニックでは醜形恐怖症の方に集中治療を行います。醜形恐怖症の治療としては抗うつ薬や認知行動療法などを用います。
大学生の患者さんの中にはオンライン授業中、パソコンの隣に鏡を置くことがやめられなかったり、1日50回以上自分の写真を撮って確認したりしている人がいました。しかし、治療を受けた後は何かが吹っ切れた気がして化粧をしなくても帽子を被って外出できるようになった事例もありました。
他にも、自分の顔を気にしていた女性が治療を受けた後、メイド喫茶でバイトするようになって人と接するバイトが楽しくなった人もいるそうです。
「私が最近治療した患者さんは治療前は顔が平面の静止画に見えていたのが、治療後は立体で動く球体に見えるようになったと言っていた人もいました。醜形恐怖症は脳の視覚的な情報処理がうまく働いていないことがあるんです」