NHK「のど自慢」出場の13歳→19歳になりプロになっていた!色気たっぷりに成長した姿とは
『ONE PIECE』を新作演目として上演する「スーパー歌舞伎」(正確には、「スーパー歌舞伎Ⅱ」)があるように、演歌にだって“スーパー演歌”があってもいいような気がする。
そんなことを感じさせる超新星・原田波人(20)が、2022年1月に演歌界に送り出された。デビュー曲「永遠の一秒」の晴れやかな歌謡感は、19歳の歌唱とはとても思えない色気でリスナーを魅了する。
「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、演歌ならざる“スーパー演歌の花道”を歩む原田波人を紹介する。
原田は、2002年9月22日生まれ。和歌山大会が6月開催だったから、13歳の歌唱ということになる。人生経験(年齢)に応じた歌唱の味わいに偏差はあるが、若い歌い手が未熟だとは限らない。例えば、1995年にデビューシングル「Don’t Take It Personal」をリリースしたモニカはまだ14歳だった。ベテランのR&Bシンガー顔負けの歌唱力で、当時のR&Bチャートでは1位を獲得した。
のど自慢出場からおよそ6年、2022年1月にデビューした原田のキャッチフレーズはこうだ。「純度120%の歌声」。ぷりっぷりの若々しさを誇るパワーワードだが、むしろ彼の成熟を表現しているところが興味深い。筆者の愛聴ナンバー「偽りのくちびる」(2022年リリース)なんて聞くと、ムード歌謡的でどちらかと言えばクルーナーな声がしっとりしみこんでくる。
歌唱中のなまめかしい表情も印象的だ。身体を揺らしながら、軽くフィンガースナップでリズムをとる姿は、五木ひろしさながらのたたずまい。さらに同曲のアンサーソングとしてリリースされた「偽りのくちびる~最後の恋~」(2022年リリース)は、女性目線に変えて歌われていて、これもシブい。純度の高い歌声でありながら、基本的に低音域を丁寧に響かせるなど、年齢(若さ)とは裏腹に成熟した雰囲気がある。
少年が歌唱に込めた歌心
2016年、「NHKのど自慢」和歌山大会でのひと幕。中学2年生の少年がマイクを手に歌ったのは、長山洋子が1993年にリリースした「蜩」だった。セレクトした曲の渋さはもちろん、中学生にしてこの説得力と貫禄。1番のサビに入ったところで、鐘が満点合格を打ち鳴らした。 ゲストの長山もびっくりの歌いっぷりだ。母親のために歌ったという理由を聞かれ、涙を拭いながらこう答えた。 「母一人で育ててくれたので」 客席にカメラが向けられ、母親もハンカチを握りしめて思わずこみ上げる。嘘偽りない理由を聞いて納得した。単なる“歌うま”なら、彼くらいの年齢の子にもたくさんいるだろうに、なるほど、この少年が歌唱に込めた歌心は、本物だ。本物だからドラマが生まれる。当然のことである。数ある歌声の持ち主から選ばれ、和歌山大会の週チャンピオンになり、その後見事グランドチャンピオン大会でNHKホールの舞台に立ったこの少年の名は、原田波人という。
年齢(若さ)とは裏腹に成熟した雰囲気
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