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BTSの弟分K-POPグループ「TXT」が全米で大ヒットのワケ。TikTokフォロワー脅威の2000万人

全米での大勝利は、K-POP史上の勲章

 チャートの動向を見たK-POPビギナーなら、「いったいどこから手をつけたらいいの?」と思うかもしれない。が、心配無用だ。入門なら、「BTS」顔負けのポップなダンス&ヴォーカルが魅力の「TXT」が絶対におすすめ。筆者が特に愛聴しているのが、全米アルバムチャート5位にランクインした2ndフルアルバム『The Chaos Chapter:FREEZE』(2021年リリース)だ。 「TXT」のコンセプトをアクチュアルに感じる快作で、ファーストトラック「Anti-Romantic」を聴いただけでも、柔らかな手触りの歌唱の中に力強い音楽性が宿るのがわかる。  突如、凍てつく氷の世界で、メンバー5人それぞれが思い思いにもがき、身も心も熱く揺らす。同アルバム収録のファイナルトラック「Frost」のミュージックビデオを見ると、彼らが表現したいビジョンが明確に伝わる。  同アルバムに続いて『Minisode 2:Thursday’s Child』が全米4位になり、そして今回の『TEMPTATION』で初登場1位になった。着実に実績を積み上げるようにチャートを駆け上がってきた「TXT」は、現在を懸命に生きながら、未来も見据える。全米での大勝利は、K-POP史上の勲章だと思う。

先輩「BTS」の遺伝子を継ぐ“MUSIC BLOOD”

「TXT」は、アーティスト名にも、強いメッセージ性を込めている。さまざまなタイプの人が集まり、ひとつの共同体(TOGETHER)として、ビジョンを共有しながら、豊かな明日(TOMORROW)を目指す。音楽性も思想もはっきり打ち出されていてこそ、メンバーそれぞれの個性がはじめて生きてくる。  彼らのコンシャスな態度は、所属事務所「HYBE」の先輩グループにしてレーベルメイトである「BTS」への深いリスペクトからも感じられる。田中圭と千葉雄大がMCを務める音楽番組『MUSIC BLOOD』(日本テレビ系)に「TXT」メンバーがリモート出演(2021年11月12日放送回)したときのこと。トーク中、リーダーのスビンが、国連でパフォーマンスをした「BTS」をほんとうに尊敬している様子だった。  音楽は、純粋に音の表現であると同時に、政治的でもある。伝えるべきことを伝えようとする意志が、音楽による表現をより鮮やかにする。国際政治にも訴える「BTS」の遺伝子を継ぐ“MUSIC BLOOD”が流れている。番組内で彼らが披露した「Dynamite」(2020年リリース)は、単なる楽曲カバーである以上に、「TXT」が、次の世代のK-POPアーティストとして明日を背負う本気の覚悟を表明しているように見えた。
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ホットな音色で駆け抜けるワールドツアー
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