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年商150億円、中国出身の経営者が考える「“日本人らしさ”の長所と短所」

『察してわかってよ』という空気

言わない――日本の社会は、ハッキリ言うのが難しい環境だと思いますか? 「そうですね。会社では上下関係などで遠慮して言えなかったり、『察してわかってよ』という空気もあると思います。他の国で『空気を読む』に当たる言葉があるのかな……、と思うくらい空気を読む国だと感じています。プライベートや男女関係、友人同士でもそのような場合があります。 私の場合も、悪い事を言っているつもりはなくても、『そんなことよく言えますね』と言われるようなことが多々ありました。それは仕事上のことです。ビジネスに関して、同僚や上司、クライアントなどに色々な提案をするのにも、日本では抵抗があったと感じています。 人格を否定するようなことを言うのでなければ、特にビジネスでは意見を言い合うのは大切だと思うのです。しかしながら最近は、初めて日本に来た20年前に比べると、ずいぶん言いやすく変わってきていると感じます」

意見がない訳ではない

――日本の社会は、なかなか意見をしにくい環境にあるのですね。 「ハッキリ言いにくい環境だと思います。でも、皆さん、言いたいことはあると思うんです。ウェブニュースなどのコメントを見れば分かるように、自分の正体を明かさなければ色々な事を言っています。皆さん、意見がありますし、本当は言いたい事がいっぱいあるのだと思うのです」 ――確かに……。顔が出ないSNSやニュースのコメント欄は盛り上がっていますよね。 「言いたい事を我慢していると、凹んだり鬱になったりしてしまうかもしれません。我慢するのではなく、日頃から向き合うようにしたら新たな展開があるのではないでしょうか。 自分の正体を明かさなくていいメディアのコメント欄などは、相手の事情を知らないのに言いたい放題の方もいて、言いたい事を言えないストレスが溜まっているように感じられます。 普段から言いたいことに向き合っていたら違うと思うのです。言いたい事を言える場所を見つけるのは大事ですし、勇気を出して声を上げるのは大切です。日本も、少しずつそのように変化しているように感じています」 <取材・文/まなたろう>
まなたろう
多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きでコーヒーソムリエ資格取得。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。
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