「若い子たちは、イベントの場を仕切る司会や雑用、段取りやお酒や食事の手配、すべて上から丸投げされるんです。もちろんお給料は一切でません。一日中働きまくって、さらに上司からは、『
若いときの苦労は買ってでもしろ』とか、『
気が利かない奴は仕事もできない』とかダメ出しまでされる」
いわゆる、目下をこき使う人間の常套句(じょうとうく)ですね。

「こんなのいまどき珍しいですよね。でも、地方の田舎の中小企業には、まだまだうちみたいな社風とノリの会社って結構多いと思います。昭和のまま時が止まっているような、社員同士の交流もまったくアップデートされていないような。
会社自体が閉鎖的すぎる空間なので、更新されるチャンスもほとんどないんです」
コロナ禍で交流が最低限だったときに入社した若手たちは、こうした悪習に相当とまどっているそうです。
「そのくせ、参加費も当然のように取られるんですよ。信じられます? とくにBBQなんて最悪です。何日も前から準備して、丸一日つぶして食材を焼いたり運んだり片づけたりして、車も出すからお酒も飲めないし、ほとんどゆっくり食べられない。地獄です」
さらに、冒頭で述べたノーマスク強要が起こったのもBBQの場でした。

「マスクをしていると、『
潔癖症か(笑)』『
コロナは終わったんだよ、外せよ!』と文句を言われました。そして最後に『参加費は平等にひとり4000円ね』と奪い取られる……。お金を払ってこき使われて、もうすでに20代の社員数名から『会社の行事がしんどい』『もう会社自体辞めたい』と相談されています」