セックスレスを描いたドラマ『あなたがしてくれなくても』で、夫婦の家が“狭い”理由。プロデューサーが語る
現在放送中のドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、木曜よる10時~)は、セックスレス夫婦の距離感がリアルに描かれており、登場人物と自分を重ねて視聴している人も多い。
“大人の恋愛”をテーマにしたドラマは少なくないが、ここまでリアリティ溢れる作品も珍しい。この生々しさはどのようにして生み出されているのか、本作のプロデューサーを務める三竿玲子氏に話を聞いた(以下、「」内は三竿氏)。
まず今回ドラマ化しようと思った理由を聞くと、「以前から『あなたがしてくれなくても』の漫画(作・ハルノ晴/双葉社)のファンだったんです。数年前に注目されていたタイミングで私も読み始めたのですが、ドラマ化の権利が奇跡的に残っていて良かったです」と“原作”からのファンだったらしく、その魅力を話す。
「これまでも不倫を扱った作品はいくつもありましたが、誰かが悪者になることがありますよね。ただ、本作では本当の意味での悪者は誰もいない。例えば、陽一(永山瑛太)は、みち(奈緒)にとって酷いことをしたりしますが、陽一側の気持ちも丁寧に描かれているため、そこに至る気持ちがわかって、どこか憎めない。そういう描き方が『面白いな』と思いました」
続けて、「セックスレスを軸にしている作品もなかなかないので、そこも面白いかなと思ったポイントでもあります」と経緯を語った。
とはいえ、タイトルも直接的であり、内容もセックスレスがメインのため、ドラマ化への抵抗やハードルもあったのではないか。三竿氏は「私としては原作が、人間ドラマだったり夫婦愛だったりを描いた作品ということを知っていたので抵抗はなかったです」と回答。
「もちろん、セックスレスがメインテーマですので、そこに引っかかりを覚える人もいるかもしれません。それでも、『内容を見てもらえれば絶対大丈夫』と思っていました。また、『木曜劇場の枠は大人向けの恋愛ドラマでも大丈夫!』という意識も大きかったです。挑戦的な部分もありましたが、無事にOKをもらいました」
周囲からの反対意見は多かったのか聞くと「ドラマ化が決まるまでは何ともなかったのですが、決まった後に『よる10時にセックスレスってワードが出るのって大丈夫なの?』という心配の声をあげる人はいました。『ドラマ化が決まった後に言わないで!』と思いましたが(笑)」と反応を口にした。
プロデューサーも原作ファン「悪者が誰もいない作品」
よる10時にこのドラマを放送するという挑戦
この特集の前回記事