「スリッパがともかく苦手だった私」が出会った美しい室内履き。履くほどに足になじむ心地よさ
『わたし史上最高のおしゃれになる!』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。
一般的な日本の生活の中で、室内で履くのはスリッパです。布でできたものか、あるいは合成皮革でできた、つま先が覆われた、バックレスの履物がスリッパですが、私はこのスリッパが苦手です。何が苦手かと言われれば、スリッパで階段をあがったり下りたりすること。
例えば旅館のスリッパ。旅館にある大人用のスリッパは、私の足には少し大き目で、かつほんのりと重量があるため、あのスリッパを履いて、つやつやに磨き上げられた木の階段を一段上がるたびに、スリッパが足から離脱しそうになります。実際に今まで、階段の途中でスリッパが滑り落ちていったことが何度もありました。
私のようにスリッパが苦手な人は少数派なのでしょうか。ほとんどの家の玄関の上がりかまちに並んでいる履物は、大体において普通のスリッパです。

そういう事情なので、家ではスリッパは履かず、暑い間は裸足、冬になったらルームソックスを履くという生活でなんら問題なく過ごしていました。
しかし、それとは別に、玄関には来客用の室内で履くための何かしらのものを用意しなければなりません。
私はスリッパが苦手だけれども、お客様はそんなことないよね、ということで、当初は、何かのお返しに誰かから頂いたごく普通のスリッパを並べていたのですが、布のスリッパは案外と早くうす汚れ、都度、新しいものに取り換えなければなりません。
頂き物のスリッパも在庫がつきて、そろそろ新しいものを買わなければならないとき、思い出したのがバブーシュです。バブーシュとはモロッコで着用される皮革製の履物で、日本では主に室内履きとして利用されているものです。
スリッパでの階段の上り下りが苦手





