
有美さんには結婚式以外にもうひとつ、結婚をする上で憧れていたものがありました。それは、薬指に輝く婚約指輪です。
「女子会で誰かの結婚報告を聞くたび、その子の指に光る婚約指輪が羨ましくてたまりませんでした。私も、いつか大好きな人から、あれを買ってもらうんだと自分の中で決めていたんです」
ところが、瞬さんはまたしても「いまどき、婚約指輪? いらなくない?」と言ってきたのです。
今度はどうしても折れたくないと思った有美さんは「結婚式は私が妥協したんだから、今度はそっちが折れてよ」とお願い。すると、瞬さんは1~2週間渋ったものの、「たしかになあ……。じゃあ、婚約指輪は買ってあげるよ」と言ってくれました。
週末、2日は有美さんが欲しいと思っていたブランドのジュエリーショップへ。一生に一度の買い物だと思い、有海さんは37万円の指輪を選びました。
瞬さんは値段を見て、一瞬顔をしかめたものの「しかたないか……」と言い、承諾。しかし、次の瞬間、信じられないことが。なんと、店員さんに「すいません、これってもうすこし安くなりませんか?」と言い、婚約指輪を値切り始めたのです。
彼女の目の前で婚約指輪を値切るという行動に、有美さんは驚愕。しかし、瞬さんは周囲からチラチラと視線を向けられているのもお構いなしの様子で、「ちょっとダイヤのつき方が雑な気がするので、その分、安くなりませんか?」などと商品にケチをつけながら店員さんに尋ね続けたのです。
「当然、値引きなんてしてもらえず、結局は提示されている金額で購入してくれました。本当に恥ずかしかった……。それに、婚約指輪を値切るって、私のことも安っぽい存在として見ているような気がして嫌な気持ちになりました」
そんなモヤモヤを抱え続けながら、有美さんは新居の手続きや引っ越しの準備などを行いつつ、新生活に備えているそう。金銭感覚が違う瞬さんとの暮らしは有海さんにとって、どんなものになるのでしょうか……?
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<取材・文/古川諭香>
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291