岸田首相長男、秘書官辞職。小泉進次郎とは異なる「フツーにいいヤツ」が権力を握る“恐ろしさ”
小泉進次郎議員に比べてフツーに“いいヤツ”
進次郎氏が議員になる遥か以前、父の小泉純一郎首相(当時)と箱根でキャッチボールをする様子が報道されました。後継者と目されていた進次郎氏の目は鋭かった。好青年の雰囲気はあるのですが、生半可(なまはんか)な“いいヤツ”ではないオーラがありました。 筆者個人の話になって恐縮ですが、横須賀中央駅の喫茶店でアルバイトをしていた当時の進次郎氏を見たことがあります。やはりそのときから近寄りがたい覇気(はき)がみなぎっていたのを今でも思い出すのです。 それに比べると翔太郎氏は、いかにもフツーです。繰り返しになりますが、間違いなく好人物で、友だちとして付き合えば絶対に楽しいタイプでしょう。 しかし、だからこそ恐ろしいのです。自分が最高権力者に近いという畏(おそ)れがあればあんな風に“いいヤツ”でいられるはずがないのに、翔太郎氏はいつも陽気な新入社員みたいでした。 自分がどの立場で何をしているか理解をしている雰囲気のない人物が、国家権力の中枢にいた。この事実を忘れてはならないのだと思います。
貧相なスケールで政治家に不向きな長男を要職で起用した家族愛
だとすれば、良識と常識が決定的に欠けているとも言い難い。むしろ、そこまでの小さな悪にすら達しない貧相(ひんそう)なスケール感の粗相(そそう)なのですね。誤解を承知で言えば、政治家の悪事としては全く物足りない。論外の幼さだと言うべきでしょう。 そのような全く政治家に不向きな翔太郎氏を要職で起用してしまった、岸田総理、裕子夫人のハートウォーミングすぎる家族愛。それこそが問われるべき任命責任なのだと思います。 <文/石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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