もちろん猫のトイレも。お腹や局部をポンポンと軽くさすってあげると、練りからしのようなうんちがプリプリッと出てきます。(お食事中の方すみません)

このときは、「猫よ、頼むから、なにがなんでも生きてくれ!」という思いで必死だったので、ほとんど記憶がありません。
90分サイクルで、ミルクをあげて→うたたねをして→ミルクをあげて→原稿を書いて→トイレをさせて、ミルクをあげて→そのままこたつで倒れこむように寝て→そして90分後にまたミルクとトイレ……というルーティンがずっと続きます。

口の周りをミルクまみれにして、いびきかいて寝た。なにこの可愛いおいなりさん
回数を重ねるたびにミルクのあげ方も上達したのか、満腹になって「けぷっ」とげっぷ(なのか?)をしてから爆睡をかます赤ちゃん猫。
人間と猫を比べるわけではありませんが、「世の新生児の親御さんたちは、毎夜毎晩、夜泣き対応やミルク、おむつ替えを頑張っているんだなあ」と、酷使したケトルを強く握りしめがなら、感慨深い気持ちにもなりました。
そして疲れ切っていたのか、
無心で猫のミルクをうっかり飲むアラサー。
「なにこの牛乳コクがあって美味いじゃん。どこのメーカー?」と、本気でリピートしそうになる始末。
実はですね、この赤ちゃん猫を保護する半年ほど前に、ずっとひとり暮らしの心の支えだった黄色いセキセイインコを亡くしていまして。まだその傷が癒えていなかったんです。さらに赤ちゃん猫を診てもらった獣医さんから「この子はミルクを飲む力が弱いから、長くは生きられないかもしれない」とも言われていました。
奮闘を続けるうちに口の周りをミルクだらけにして飲んでくれるようになったものの、「また失ってしまうかもしれない」という不安があって、ずっと名前をつけられないでいたのです。
そうしたら、子猫のお薬に書かれた名前が「青山コネコさま」。(青山はわたしの苗字)
コネコさま……! なんか可愛い……!

でもほぼ丸一カ月ろくに寝ず、猫もわたしも多分全力で頑張った結果、子猫はひとり(一匹)で網戸をよじ登るまでに成長したのです。

後ろから見るとまるで宇宙人の子ども。訪ねてくる宅配便のおじさんが、みんなデレデレ顔で「にゃんにゃん」言葉を話してた
そして、テレビの『午後のロードショー』だって熱中しちゃう。
お気に入りの俳優はクリント・イーストウッドらしい。彼が出るシーンになると、凝視して固まる不思議。渋さがわかる、ませ猫め。

彼が出ているときだけ、テレビにめっちゃ近づく。