「問題ないっす。うちの編集部、猫派の方が多いので」
文句を言われるかと思いきや、結果はあっさりOK。
え。単にわたしが必要とされていなかった気も否めませんが、そこはあえて深くは考えないでおこう。うん、そうしよう……。

とにかく、これで育てる準備は整いました。
産まれたての子猫は、とにかく小さい。
リアルな大きさとして、
ちょっと生あたたかい“おいなりさん”か“おはぎ”を片手で包み込んでいる感覚を想像してみてください。そう、それです。

おいなりさんサイズ(あったかい)
せわしなく動く“あたたかいおいなりさん”の喉の通り道を片手で確保しながら、素早くミルクの温度をはかります。熱くもなく冷たくもなく、ちょうどいい温度のミルクを作るのは素人には想像以上に難しい……。しかもこれを90分おきに繰り返します。

小さくてもシルエットはちゃんと猫なのが、いじらしい
もう部屋のこたつの天板のど真ん中に、ティファールのお湯を沸かすケトルをどん! とおいて。温度計もニトリで買って。冷ます用の水を入れたボールと、こぼれた水を拭くハンカチも5枚くらい積んで。
<90分おきにミルクを作り続ける>というミッションが課せられた生活が始まり1週間ほど経ったころでしょうか。まとまった時間寝られないせいで睡眠不足でもうろうとしながらも、「ハッ!」と気が付いたら無意識でケトルでお湯をわかして、ミルクを溶いてたという……。

一日の大半をこたつで過ごして、その合間に、生きていくための最低限の銭を稼がないといけないので、とにかく必死です。

ミルクのあげ方に四苦八苦していたら、もっとも飲みやすいスタイルを自分で見つけ出した天才がここに