
その後、2人は交際をスタート。買い物やカフェ巡りなど、アクティブに休みを過ごすのが好きな愛子さんとは対照的に彼は読書好きなインドア派でしたが、愛子さんの趣味に合わせ、一緒に休日を過ごしてくれました。
そして、交際から1年半ほど経った頃、彼から「そろそろ結婚も視野に入れているから一度、ご両親に会いたい」と言われたため、愛子さんは自宅へ招くことに。
「我が家は父、母、私、妹の4人家族。妹から『お姉ちゃんの彼と会ってみたい』と言われたので、同席してもらうことにしました」

顔合わせの日、両親は物腰が柔らかい彼のことを気に入り、終始和やかに談話。緊張していた彼も、徐々に笑顔が増えていきました。しかし、その時、妹さんがなにげなく彼にした質問によって、愛子さんの未来は変わってしまいます。
「趣味を尋ねた妹に彼は読書だと答えました。妹も読書が好きなので、好きな作家やジャンルを聞き始めたのですが、なんと、すべて彼の好みと一致していたんです……」
2人が好きだったのは、それほど名前が知られていないマイナーな作家や猟奇的なサスペンス小説。趣味が合うことが分かった2人は一気に打ち解け、読書話に花を咲かせ始めました。
いきいきと本の話をする彼を見て、愛子さんは「この人、こんな楽しそうに笑うんだ……」と思い、同時に心がザワつきました。