原爆コラ画像問題で炎上も、映画『バービー』がこの夏絶対に見るべき作品と言えるワケ
フェミニズム映画としても革新的
少し前から、ハリウッド映画では女性たちの連帯感を強調した、いわゆる“シスターフッド”ものの映画が一種の流行になっていた。それ自体は喜ばしいし素晴らしい作品が数多く生まれているのだが、その一方で創作物の中で男性たちの姿や意志がないがしろにされることも、少なからずあったように思う。
だからこそ、男性を貶めたりするのではなく、「極端な描写なので笑ってしまうけど、彼らの気持ちは痛切なもので共感できる」という形で示した『バービー』は、フェミニズム映画としても革新的だと思えたのだ。
もちろん、直球で女性へのエンパワーメントにも溢れたシスターフッド映画にもなっている。中でもマーゴット・ロビーが演じる主人公のバービーが、アイデンティティに悩み、そしてとある人物の言葉もあってこそ、彼女にとっての“答え”を見つけるまでの過程は感動的だ。そこにこそ、強い批評性を保ちつつ、結末も安易なものに落とし込まない、作り手の誠実さをもっとも感じたのだ。
ものすごくパワフルで志の高い映画
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ヒナタカ
WEB媒体「All About ニュース」「ねとらぼ」「CINEMAS+」、紙媒体『月刊総務』などで記事を執筆中の映画ライター。Xアカウント:@HinatakaJeF











