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知的障害のある女性が、恋人の親に会って起こったこと。誰も悪くないのに…“悲痛な叫び”が胸にズシッ|ドラマ『初恋、ざらり』

有紗は岡村に応援してほしかったのではないか

 1話冒頭では男性に性行為を強要されても「これでしか役に立てない」と内心口にしていた通り、あらゆることを諦めていた有紗。それでも、岡村と知り合い、その優しさに触れたからこそ、新しい仕事に挑戦したかったのだろう。岡村を想うからこその言葉であり、決意だったと思われる。有紗としても岡村に応援してほしかったのではないか。
「初恋、ざらり」

和やかな誕生日会をきっかけに、ふたりの関係に変化が ©「初恋、ざらり」製作委員会

 その気持ちを岡村は汲もうとはせず、「現状維持を受け入れろ」と言わんばかりの言葉を並べ、なんと薄情な人間かと思いそうだが、そんなことはない。むしろ真逆

なぜ心から好き合っているのに、歪んでしまうのか

 有紗が仕事でミスをする姿、同僚から陰口を叩かれている様子を何度も目の当たりにしていた岡村。配車の仕事を始めた場合、今まで以上に有紗が苦しむ可能性が高い。そうなってほしくなかったからこそ、「ありのままで良いんだよ」という言葉が出た。想い合っているからこそ生じてしまったすれ違い。なぜ心から好き合っているにもかかわらず、歪んでしまうのか。  有紗と岡村、どちらの気持ちもわかるからこそ歯がゆさを感じてならない。歪み始めた2人の関係がどうなってしまうのか、9話以降も目が離せない。 【関連記事】⇒障がい者の恋愛描くドラマ『初恋、ざらり』で、制作が「炎上リスクよりも配慮したこと」。プロデューサーが語る 【関連記事】⇒障がい者の恋を描くドラマ『初恋、ざらり』で、専門家が「違和感を覚えた」シーンとは?プロデューサーに聞く <文/望月悠木>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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