――風実香のように「ひとりを好きになりたい」人もいます。先生自身は、1人時間をどう過ごしていますか?
中村あいさつ(以下、中村)「最近は散歩、昼寝、動画視聴、料理などが多い気がします。大きな公園をゆっくり歩きながら陽にあたると気持ちがいいです!
料理はカレーを作るのが楽しいです。スパイスで作るんですけど、まだシンプルなものを作ってる感じで、これからアレンジを楽しんでいける感じがワクワクします。おいしいものを食べれるというのもいい!
昼寝も大好きで枕探しをしたいなーと最近思っています。悩んだり考え事したりをしがちなので、頭を休ませられることが好きなのかもです」
――以前よりは、おひとりさまがめずらしくなくなった気がしますが、まだまだ1人=寂しいと見られがちです。そのように見られた時、言われた時、どのように対処するのが良いのでしょう?
中村「尊重し合えない方とは距離を取れたら楽ですよね。ですが簡単に距離をとれない関係性の方もいると思います…。でも相手を変えるのって無理ですし、自分も誰かに変えられることを望んでいないですし……うん、やっぱり離れるのがいい気がします」
――離れられない人に理解されない場合はどうしたら良いでしょう?
中村「極端に言えば、離れられない人はいないので。自分を守ったり、自分の機嫌を取ってあげたり、自分に優しくしてあげてください。
私は聞き流すことが苦手なので、耳に入らないように環境を整える方向にいきがちですが、聞き流すことができたら場所を変える必要性は減りそうですね。聞き流すを会得する方法を考えてみようかな」
――多くの仲間がいる「多数派」に対して、1人でいることや少人数でいるのが好きな「少数派」でいてこまることはありますか?
中村「制度や商品が多数派に向けられたものが多いので、少数派は必要なものや欲しいものを得られない・享受できない仕組みになっているなと感じています。漫画を描いていて、多くの人にリーチすることの商業的な面での重要性は身をもって理解していますので、制度や商品がまず多数派に焦点がいくという流れはわかります。
ですが、人数が少なくても受けられる制度は同じ人として生きている上で平等であってほしいですし、商業的には“私たちにむけた商品も作って”とは思いませんが、何か一方が絶対正義のような表現はなくなっていくといいなと思います」
――少数派でいても良いのでしょうか?
中村「もちろんです!多数派・少数派というのは、人数が多いか少ないかだけの話で、正しいか正しくないかということではないので。
それに場所が変われば多数派少数派の割合は変わります。逆転することは難しくても、あるところでは1:9の割合だったことが、あるところにいけば3:7や4:6となったりします。無理に自分を変えるのではなく、環境を変えることですごしやすさを変えることが可能なんだと思っています。自分は自分のままでいいんですよね」
――本作を通して伝えたいことは?
中村「そのままですが、ひとりが好きでいいよねということかなと。多様性・ダイバーシティ・LGBTQ+など様々な価値観や言葉が広がり受け入れられる世の中になってきました。一人でいることや恋愛をしないことも、より肯定的に知られていけばいいなと思っていて。
一人が好きな人には一人が『ひとりが好きでいいよね』と、一人が苦手な人には『ひとりが好きな人もいるんだよ』と、伝わったら嬉しいです」
中村あいさつ(
@n_aisatsu)
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「ひとりが好き」は強がりでも、疲れでもない。SNSでバズったおひとりさま漫画が伝えたいこと
<取材・文/女子SPA!編集部>