「まるで小林麻耶夫妻…」スピリチュアル夫に洗脳され、姉が“反ワク&反医療”の悲劇
そんな母の影響と、もともとの嗜好によって素地ができあがっていたのだろう。高次元ヒーラーなる男性と結婚したことで、姉は一気に沼の深みに突き進んでいったようだ。
考え方が違う妹の陰口を叩くだけならともかく、姉と母の困ったところは、レナさんの子どもにあれこれふき込むところだという。
「お母さん更年期なんでしょ? おばあちゃんたちが言ってたよ! だから自分が間違ったこと言ってる自覚ないんだって」*1
「私たちはワクチン打ったからデトックスしなくちゃいけないんだって! おばちゃんがサプリ飲めってくれたよ」*2
*1 更年期とは、一般的に45~55歳である。30代のレナさんは、不調があったとしても更年期には該当しない。
*2 「ワクチン接種後にデトックスが必要」というのはごく一部の少数派の意見であり、一般的な考え方ではない。
引っ越して、物理的にも距離を置きたくなるレベルである。
しかしレナさんがそれをしないのは、現在アルコール依存症気味になっている母と、姉家の甥っ子たちが心配だからだ。
子どもは親を選べず、よほどのことがないかぎり未成年が自発的に親元を離れて暮らす術はない。
甥っ子たちが無事巣立つ日までなんとかつながりを維持しながら、ぼやきつづけるしかないレナさんだった。
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<取材・文/山田ノジル>
子どもは無邪気に信じてしまう

縁を切りたい、でも切れない

山田ノジル
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
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