
御三家など最難関校に合格できるのは、上位1%にも満たない超トップ層(写真は桜蔭学園/PIXTA)
高い学歴を獲得するためには重課金をと煽る日本の受験産業。その費用対効果はどうなっているのか。
前出の藤沢氏は、「中学受験をする場合は、小4から塾に入るのが標準的で、少なくとも300万円が塾代に消えていきます。まず、大前提としてこの300万円が家計に響くなら中学受験のスタートラインにすら立てませんし、立つべきでもありません」と話す。
ただ、中学受験に向いている子どもはSAPIXなどの塾と家庭学習だけで合格するが、半面、成績が振るわない子ほど、個別指導塾や家庭教師などに追加課金する傾向にあり、その額も膨れ上がっていくという。
「ただ、仮に1000万円課金して結果的にワンランク上の大学に入ることができたら高給の大企業に入りやすくなり、1000万円は十分に回収することができます。投資として悪くないです」
一方、中学受験に向いていない子どもは、高校入試から本腰を入れるというルートも。
「中学受験が過熱している分、高校から早慶やMARCHの付属校を目指して頑張るほうが勉強の大変さや経済的なコスパはよい。東京は中学受験で成績上位層がごっそり抜けているので、高校入試なら先ほどいったワンランク上の大学に比較的楽に入れます」
コスパのよい選択をしたいものだ。
【作家・藤沢数希氏】
理論物理学研究者、外資系金融機関を経て作家に。最新刊『コスパで考える学歴攻略法』。Twitter(
@kazu_fujisawa)
<取材・文・撮影/SPA!子ども塾調査隊>