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知的障害のある女性に、別れた恋人が「泣きながらお願いしたこと」。ドラマ『初恋、ざらり』最終回の美しさ

 普通とは何かを問い続けてきた、ざくざくろ氏の漫画が原作のドラマ『初恋、ざらり』(テレビ東京系、金曜深夜24時12分~)。軽度知的障害と自閉症のある主人公・有紗(小野花梨)と、彼女を取り巻く人々の物語が、9月22日放送の12話で最終回を迎えた。(※以下、ドラマのネタバレを含みます
「初恋、ざらり」

©「初恋、ざらり」製作委員会

 毎週、番組終了後に様々な意見が飛び交った本作だったが、ラストは泥臭くもありながら美しい大団円となった。 【前回記事】⇒障がいのある娘に「私を産まなきゃ良かった?」と聞かれ…母親の“正直で優しい答え”に震える|ドラマ『初恋、ざらり』

別れても互いを想い合う2人。ついに再会したけれど

 12話は有紗と岡村(風間俊介)が別れてしばらく経ったところから始まる。有紗はスーパーでのレジ打ちを始めて懸命に仕事を覚える一方、岡村は営業所が変わったことで慣れないスーツを着ながら外回りをしている。別々の道を歩み出しているように見えたが、2人の心には未練がありまだまだ想い合っている印象
「初恋、ざらり」

©「初恋、ざらり」製作委員会

 そんな中、岡村は兄・龍之介(浜中文一)から「会いに行けよ、気持ちがあるなら」とはっぱをかけられ、有紗のもとを訪れる。岡村は「やり直そう」と提案するが、「ありがとうございます。でも無理だと思います」と返される。

「私が普通の人だったら、ママさんは喜んだままだった」

 有紗は、岡村の母・靖子(熊谷真実)に自身の障がいを告白した時、「それって子どもに遺伝とか……」と言われたことを振り返り、「自分に障がいがなかったらそんなこと言われないのに」「悲しかったんです。私が普通の人だったら、ママさんは喜んだままだったのに」と話す。
「初恋、ざらり」

8話で初めて岡村の両親に会った有紗 ©「初恋、ざらり」製作委員会

 そして、有紗は岡村のもとを去り、1人で泣きながら「岡村さん、好きです。だから、幸せになってください」と心の中でつぶやく。岡村のことを想っているからこそ、普通の人と幸せになる未来を願いながら“潔く”身を引いた。 【関連記事】⇒知的障害のある女性が、恋人の親に会って起こったこと。誰も悪くないのに…“悲痛な叫び”が胸にズシッ|ドラマ『初恋、ざらり』
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優しい岡村が初めて見せた「駄々っ子のようなワガママ」
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