かつてガソリンスタンドでバイトしていた3人の俳優。洗車係を5年間勤め上げたのは
芸能界に入る前の下積みエピソードはほんとうに十人十色である。ところが、ガソリンスタンドでのアルバイト経験となると、不思議な共通点が見つかる。
誘導から給油まで、シンプルに一本化された接客から学ぶことは多い。このコラムで取り上げる3人の俳優、アーティストもそれを現在の基盤にしている人たちだ。
「イケメン」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、ガソリンスタンドでのバイト経験と俳優、アーティストの表現力に連関性を見出す。
ガソリンスタンドに入るとなぜかワクワクする。ホテルの車寄せにスッと横付けする感覚に少し似ているからだろうか。キャノピーと呼ばれる屋根をくぐり停車し、スタッフがくるのを待つ。
スタッフが動き回る場所はフィールドと言う。給油する計量器と車、サービスルームなど、フィールド内を行き来する。給油中の車内では、スタッフのちゃきちゃきした動きをつい目で追ってしまう。
たまに結構イケメンなスタッフがいたりする。「もしかして俳優さん?」などと思う率も高い。
あながち見当外れでもないのは、芸能界デビューする前に実はガソリンスタンドで働いていた俳優やアーティストは多いからだ。
「もしかして俳優さん?」と思うイケメンなスタッフ率
洗車係5年の窪田正孝
ガソリンスタンドでバイトしていた経歴について、バラエティ番組などで公表しているのが窪田正孝である。 バイト中の窪田を想像してみる。キャノピーに入って来た車を、きっと走ってきて誘導してくれる。 給油中に車内を拭くタオルをさりげなく持ってくる。冬ならば、走り回って息が上がり、白い吐息が美しく。給油を終えてスタンドをあとにするときには、道路へ曲がるタイミングをしっかり見定めてくれそうだ。とにかくちゃきちゃき熱心な姿が浮かぶ。 整備工を目指していた窪田は高校時代、ほとんど毎日ガソリンスタンドでバイトをしていた。とにかく車が大好き。車と一番近くにいられる洗車係を自ら志願し、5年間も勤め上げた。



