値上がりだらけ。25年以上も上がらなかった世界がガラリと
この1年、私たちの生活は物価高に悩まされてきました。今や消費者物価は1年以上3%水準のインフレとなっています。さらに、食料品だけでみると9%も物価は上がっています。
それに対してお給料はほとんど上がってないのですから、生活が苦しくなるのは当たり前です。

25年以上もモノの価格が上がらない経済を、私たち日本人は経験してきました。上がらないどころか、むしろ値下がりすることが多かったのです。
それが、毎月のように値上がりのニュースを聞きます。それも、生活に直結する食料品、日用品の値上げが多い。1年ほど前までは150円程度で買えたマヨネーズは今やバーゲンでも250円以上、170円で買えた食用油は今や400円近いのです。まるで世界がガラリと変わってしまったようです。
物価が上がると、金融政策を司(つかさど)る中央銀行、日本なら日本銀行は、金利を上げ金融引き締めをして物価上昇を抑えます。事実、アメリカやヨーロッパ、世界の主要国はこの1年あまり金利を繰り返し上げてきました。インフレを抑えて物価を安定させるためです。
物価は上がっているのに、金融の引き締めをしていないのが日本です。しかし、他の主要国は金利を上げたので、日本との金利差がどんどん開きました。

例えば、日本の銀行に預けても利息はほとんどもらえないのに、アメリカやヨーロッパの銀行に預ければ、利息が年に5%もらえるとなったら、日本で貯蓄をするのではなく、欧米で高金利の預金をしようと思うため、日本円を売ってドルやユーロを買う流れが起きます。
こうして、どんどん円安が進んだのです。円安が進むと輸入品の価格が高くなり、ますます物価高になります。