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34歳俳優の王子様役が“お笑い”にならないワケ。新作での適役っぷりを読み解く

唯一魔法が解けない表情

 が、シンデレラとの優雅なダンスの時間もつかの間。王室御用達の美容師殺害事件のために舞踏会は中断される。ここで頭脳明晰な赤ずきんが名推理を発揮するのだが、では王子はと言うと、なんと容疑者に?  とまぁこれ以上は内容に触れないが、推理中に容疑者の王子が回想していく一連の場面はどれもことごとく美しい。婚約しようとした女性の前でひざまずき、指輪を見せると長い髪が風になびく。  極めつきが、王家に伝わる手鏡で自分の顔を見る瞬間。鏡の中の王子の瞳は潤む。そう、岩田剛典と言えばこの潤んだ瞳の演技。奈緒主演で哀切極まる不倫夫を熱演した『あなたがしてくれなくても』でも度々垣間見せた魂の“潤み典”だ。  唯一魔法が解けないのは、この神々しいばかりの表情だけではないだろうか? <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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