
画像:関西テレビ放送 カンテレ『罠の戦争』公式サイトより
思うにこのドラマには、“二重の活気”があるのではないだろうか。ひとつは、先にも述べたように、笠置シヅ子が戦後にもたらした歌うパワーと生きるためのエナジー補給として。
もうひとつは、笠置をスター歌手に押上げた服部良一を演じる草彅剛その人だ。彼の演技力の高さは、『任侠ヘルパー』(フジテレビ、2009年)や『罠の戦争』(関西テレビ・フジテレビ、2023年)など定評がある。
だから今度の善一役も難なくこなしているように見えるが、それ以上にこの役から伝わる活気は貴重に感じるのだ。
というのも、2023年の芸能界は戦後最大にして空前の大スキャンダルを経験している。もはや焼け野原状態。瓦礫と化した芸能の更地に草彅の演技が孤高に輝く。
これこそ“芸能の希望”、そして新たな活気の芽吹きとして筆者は見てみたいと思うのだが、どうだろう?
<文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修
俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:
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