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おにぎり専門店、2時間待ちでも並ぶ価値ってあるの?1個600円のおにぎりを実食

心も胃袋もつかまれる

どこから食べても、具材を味わえる

どこから食べても、具材を味わえる

 おにぎりをほおばるってみると、お米ひとつひとつの粒立ちをしっかり丁寧に味わうことができます。 「お米ってこんなにおいしかったんだ!」という感動は、まるで初恋の時の感覚を思い出すような体験。とにかく格別の食体験であることは断言できますし、1500円の外食でこれほどにまでシンプルな感動を味わえることはめったにありません。  また価格については、コンビニおにぎりと比較して評価するのは適切ではないかもしれません。  おにぎりの最高峰だと位置づければ、価格の振れ幅としては、他の和食(例えば寿司や天ぷら)に比べれば小さいと解釈することもできます。

並ぶか並ばないかで、おにぎりの価値は決まらない

おにぎりの価値はどう決まる?

おにぎりの価値はどう決まる?

 最後に、これまでさまざまなおにぎり専門店で食べたこともふまえて、行列を作る理由について冷静に考察してみたところ、答えのようなものがすっと降りてきました。  それは、パイオニア的存在のぼんごが特別であるということです。ぼんごには60年以上もの間たくさんのお客を喜ばせてきたという唯一無二の実績があり、おにぎりの聖地として認められるようになりました。そしてその神髄に触れたいと願う人々が労をいとわずに並ぶようになっているのです。  つまり並ぶか並ばないかは、おにぎりそのものの味だけで決まるものではないということ。ぼんごが、おにぎり単体の価値をはるかに超越した殿堂的存在として愛されていることは間違いありません。  ちなみに他店の場合は、並ばずに味わうことができますから、どこのお店に行くかは人それぞれでよいのだと思います。さあ、みなさんは専門店のおにぎりを食べるなら、憧れの聖地に並びますか? <文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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