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仲良し4人組の1人が「なんか飽きるね」と一言。その“意外な真意”とは

「男女の間に友情は成立するのか?」というテーマが、ゆっくり時間をかけて丁寧に描かれる。
木曜劇場『いちばんすきな花』6話より© フジテレビ(以下同じ)

木曜劇場『いちばんすきな花』6話より© フジテレビ(以下同じ)

 毎週木曜日よる10時から放送されている『いちばんすきな花』(フジテレビ)の登場人物たちは、先の問いに生きづらさを感じながらも、特別な“憩いの場”を見つけている。 「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、本作第6話が“神回”だと思う理由を解説する。

苦し紛れにもれた一言

「なんか、あれだね、飽きるね」  松下洸平扮する春木椿から思わぬ一言がもれる。世間とのちょっとしたズレを感じ、お互いに悩む者同士。気づけば、気が置けない存在になり、椿の家をたまり場にしている。  潮ゆくえ(多部未華子)、深雪夜々(今田美桜)、佐藤紅葉(神尾楓珠)にとって、春木家の集いはもはや必要不可欠なもの。そんなのっぴきならない関係性に対して、人一倍心やさしい椿が、「飽きるね」と思ったのか。  びっくりしたが、もちろん杞憂。婚約者と住むはずだった家からそろそろ引っ越しを考えていたのだ。となると、あの3人がたまり場を失うことになる。言いづらさの果てに、苦し紛れにもれた一言だった。

“家そのもの”にもドラマが生まれる

木曜劇場『いちばんすきな花』6話より©フジテレビ ゆくえは言う。椿の家は「帰るっていうか、戻るっていうか」のような場所だと。椿がもし引っ越したら、いったいどこに心の安寧を求めたらいいのだろうか。椿は、はからずも重大な責任を負ってしまっている。  椿の家は、あって当たり前の場所。第6話では、この当たり前を手放すのか、どうかで椿がひとり悩むことになる。これまでの放送回では、前半はそれぞれの日常があり、だいたい後半で椿の家に全員が集合した。  それが第6話では、冒頭から大集合し、掃除をしている姿がコミカルに描かれる。それぞれにドラマを持った人物たちが集まるうちに、家本体にも知らず知らずドラマが生まれているように思う。
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