しかし友情結婚をしたいと思っても、同じく友情結婚を考えている人に出会わなければ話は進みません。たくさんはかつて、友情結婚専門の結婚相談所を利用していたそうです。そこでは、どのような流れで婚活をしていくのでしょうか?

「年齢や収入、学歴などお互いのプロフィールを見てマッチングした上でお会いします。どのようなセクシャリティに属しているかなどもあらかじめわかるようになっています。
また、
カップルとして成立したのち、同居するのかしないのか、子どもはどうするのかといったことを決めるため、話し合いを重ねる期間があります」
性的な関係を持たない友情結婚を希望する方の中には、子どもを持ちたいという方も多いのでしょうか。
「
私が登録した友情結婚に特化した結婚相談所では、子どもがほしい方が多かったですね。子どもを作るとなった場合、多くの方は体外受精を選択されます」
現在、たくさんは結婚相談所を退会されているということですが、その理由は。
「私自身、この友情結婚と呼ばれる形態での婚活をしてきましたが、疲れてしまいました……。お会いした方の中には、この人なら一緒にいたいと思う方もいて、過去には告白したこともあります。
友情結婚をしたい人同士が集まっており利害が一致しているため、すぐにうまくいきそうに思えますが、それだけではうまくいかないのが現実でした」
異性愛を前提とした婚活でも、友情結婚の婚活でも、どんな婚活でも悩みはつきものだということかもしれません。

「友情結婚をしたい人の多くは、暖かい家庭がほしい、同じ感覚の者同士協力して人間愛で支え合いたいといった考えがあるかと思います。性的な関係がないこと以外は普通の結婚と変わらない。だから、この形態なら諦めていた結婚に希望が持てると活動を始めたと思います。
ですがLGBTの私たち特有なのか、
恋愛感情がない中で相手に興味を持つのはとても難しいことを痛感しました。この活動では、恋愛感情での繋がりではないためにとにかく話し合いが重要です。話し合いの場ではそれなりに話しはしますが、終わればそれっきり。日常のLINEのやりとりがあるわけではなく、どちらかが無理にでも会おうとしなければ会話が進まない。それがだんだん負担になってくるんです」
まだ恋愛感情を持っていない段階で、相手の話に興味が持てない。これは通常の婚活でよく聞くお悩みの一つでもあります。