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姉が妹の夫と不倫。妹は2人の関係に気づくが…?一つ屋根の下の不倫の行く末は

 テレビ東京の深夜ドラマが面白いのは、意外な要素を掛け合わせるユニークな発想にある。  毎週月曜日よる11時6分から放送されている『けむたい姉とずるい妹』では、不倫と喫煙がうまくリンクする。主演の栗山千明にあえて喫煙させることで、全編に緊張感を生んでもいる。 「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、“煙にまかれるように儚い”本作の不倫関係を読み解く。

不倫ドラマの百花繚乱クール

 同じクールでこんなに多くの不倫ドラマを見たのは初めてかもしれない。テクノロジーと妻の復讐劇をかけ合わせた『インターホンが鳴るとき』(テレビ大阪)や強い執着が登場人物たちを異常な行動へ駆り立てる恐怖を描く『泥濘の食卓』(テレビ朝日)。  異色作としては、タイトル通りに新妻が率先して不倫を試みる『18歳、新妻、不倫します。』(ABCテレビ)など、10月期はまさに不倫ドラマの百花繚乱クール。どれを見てもそれぞれ楽しめるが、筆者はこの作品を推したいと思う。  栗山千明と旬のイケメン俳優、柳俊太郎が共演する『けむたい姉とずるい妹』だ。  テレビ東京の深夜放送枠らしく、軽妙かつ重厚というちょうどよいドラマ運びが特徴的で、ちょっとした展開の鋭さや機転が利いた場面転換も申し分ない。

不倫ドラマをうまくシェアハウス物として描く

 何より、不倫ドラマをうまくシェアハウス物として描いているのが、本作最大のポイントではないか。栗山扮する姉の東郷じゅんと妹の三島らん(馬場ふみか)、その夫・律(柳俊太郎)が同じ屋根の下で暮らす。  これは絶対に何か起きそうだなという雰囲気を漂わせながら、共同生活を営む家に妙にサスペンスフルな緊張感が充満する。第2話でじゅんと律が玄関でひと目を盗んでキスをする場面を見て、ああやっぱり。  このふたりの決定的瞬間を目撃してしまった視聴者は、甘い罪悪感にかられる。この先どうしたものかと、家の中で宙吊り(サスペンス)状態になるふたりとまるで共犯関係を結ぶハラハラがあるのだ。
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かっこよさとやるせなさの絶妙なコントラスト
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