もちろん、相手も遊びのつもりなら問題はないかもしれない。だが妻がそれを知ったときどう思うかまで想像はしていない。
夏生は妻には知られていないと思っているが、妻のふみこ(戸田菜穂)は知っていた。そのことで苦しんでもいた。彼女が心の調子を崩したのはそれが原因かもしれないが、彼女は夫を恨んではいない。むしろ捨てられるのではないかと胸を痛めていたのだ。

そして彼は過去に軽くつきあってきた女性たちと深愛を比べる。そして思うのだ。「深愛ちゃんは純粋すぎて……怖い」と。もしかしたら家庭を壊されるかもしれない。純粋すぎるがゆえに何をしでかすかわからない人間は存在する。彼は深愛にそんな危険な雰囲気を感じ取っているのだろう。
愛する人の妻から、夫に不倫される苦しみを聞かされて
深愛は、「夫がずっと前に不倫していた」とふみこから聞かされる。それでも夏生という夫を愛し、また夫もふみこを愛していることを確信して、一瞬、嫉妬に心かき乱される。だがそんな自分を制御してふみこを励ます。そしてつぶやくのだ。

「
店長の奥さん、大好き」と。それなのに彼女の中には愛する人の妻と親密になっていくことへの葛藤はない。そこが不思議なところでもある。
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