
ちふゆだけでなく、ハルキも深愛と夏生の不倫に気づいている。彼は何せ、ふたりがキスをしている瞬間を目撃しているのだから。スーパーで働く元上司と部下の関係だからといって、自分が恋い焦がれる深愛をたぶらかすなんて許せない。
病院の帰り、夏生は深愛を送っていくと言う。ハルキは、先に車に乗り込もうとする深愛を制して、助手席ではなく、後部座席に乗るように促す。代わりに助手席に乗ったハルキが、「クサい」と一言もらす。
静まり返る車内。いったい、何がクサいのか。ハルキは言う。「煙草と汗の臭い」だと。さすがに敏感な年頃のハルキではある。これは、痛いところをつかれる鋭い一言であった。
高校生のふたりの勘の良さによって、じりじり追い詰められる。もう後がない。かと言って、ここまで泥沼化しては戻るところもない。くるところまできてしまったふたりは、どうするのか?
すると恐ろしい場面が。深愛を降ろし、運転席の夏生と助手席のハルキが短い会話を交わす。「お前とももうちょっとちゃんと話さないとな」とやはり父親ぶろうとする夏生に対して、ハルキは黙り込み、にらみつける。
しかもゆっくり運転席側である右へ、首だけを静かに動かすのだ。ゾッとする。どんな演出が施されたらこんな不気味な首の動きができるのか。第6話ともなると、ハルキ役のキャラクター性を完璧につかんだのか、櫻井海音もかなり堂に入ってきた。吉沢悠の終始すっとぼけ具合ももはや伝統芸の域だ。