大河で爪痕を残した俳優や、オネエ役で新境地開拓俳優も…2023年評価されるべき30代俳優5人!
注目の邦画、ドラマが多数公開され、素晴らしさを改めて見直すこととなった2023年。本記事ではそれらの作品で爪痕を残した30代以上の俳優にフォーカス。
それぞれの活躍を振り返っていく。
磯村と同様に出演作の多さで群を抜いているのが山田裕貴だ。今年はテレビドラマ3作品、映画ではボイスキャストを含めて5作品に出演した。「大河ドラマ どうする家康」(NHK)で徳川四天王の1人・本多忠勝として「蜻蛉切」を振り回したり、傷を負いながらも無傷を主張するかわいらしい一面も記憶に新しい。
難役、難役、また難役。最高を更新し続ける磯村勇斗
2023年、『東京リベンジャーズ2 運命/決戦』『最後まで行く』『波紋』『渇水』『月』『正欲』と7本もの映画に出演した磯村勇斗。作品数の多さも驚きだが、彼が演じるのは世間の“普通”とは違っている役である場合が多いことも忘れてはならない。 『波紋』では新興宗教にハマる母と障がい者を恋人に持つ役を、『月』では重度障がい者施設で働き、次第に狂気に絡めとられていく役を、『正欲』では特殊な性癖を持つ役を演じた。もちろん、現実にいない人の役だからすごい、なんて言うつもりはさらさらない。磯村のすごいところは、彼が現実との地続きで存在しているように見えるところだ。 例えば『月』で演じた“さとくん”は、劣悪な労働環境の中で次第に彼の中の正義が歪んでいく過程を表現していた。彼が最後にとった行動、そこに向かうまでの目に宿った暗い闇を思い出し、いまだに背筋が凍る感覚を思い出す。
2023年、見なかったときがない!?山田裕貴

画像:TBSテレビ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』公式サイトより
だが、ここではあえて『BLUE GIANT』に触れておきたい。同作で山田はジャズバンドを組み、サックス奏者として世界一を目指す宮本大の声を務めた。表情や動きをアニメーションにゆだねた声のみでの芝居は、本業が役者の彼にとっては不自由さもあっただろう。それでも、声に込められた闘志、サックスを吹く合間の吐息が観る者の心を揺さぶる。普段アニメ映画を観ない人にも、ぜひ1度山田演じる大の声に耳を傾けてほしい。


