Entertainment

「人妻と不倫する男」役が妙にハマる38歳俳優。かつてのピュアなイメージが

 俳優には、演じる役柄に対する固定イメージがあるが、キャリアに応じてそれが変化する楽しみもある。
『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』© テレビ朝日

『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』1話より© テレビ朝日

 振り幅があるとなおさらのこと。毎週土曜日よる11時30分から放送されている『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』(テレビ朝日、以下、『離婚しない男』)の小池徹平は、その好例だ。 「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、“西の不倫王子俳優”小池徹平を読み解く。

当時22歳の小池徹平

ホームレス中学生 スタンダード・エディションDVD(東宝)

ホームレス中学生 スタンダード・エディションDVD(東宝)

「すごい、俺の人生、前向きや」  2008年に公開された映画『ホームレス中学生』冒頭の台詞だ。小池徹平扮する主人公・田村裕が、校門で友達を待っていると女子に映画に誘われる場面。会話するふたりの頭上に木漏れ日が差す。  夏休みに瑞々しい約束ができた裕は、ウキウキ、ルンルン。男友達がやってくると、太陽が雲間に隠れ、木漏れ日が消える。それでもなお、さわやかな笑顔の小池が、何とも楽天的な一言を吐くのだ。  わずかな木漏れ日の変化ひとつで、演技にメリハリをつける。青春映画の名匠・古厩智之監督の演出が、(公開)当時22歳の小池徹平の魅力のすべてを引き出している。これぞ映画の力ではないか。

やんちゃでもピュアな印象

『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』© テレビ朝日 古厩監督のもとでは、自然と青春の輝きは“ましまし”になる。小池と学制服との相性が決定的に印象づけられるのも必然だった。同作の前には、大ヒットドラマ『ドラゴン桜』(TBS、2005年)に出演している。  若かりし山下智久や長澤まさみ、新垣結衣などが出演する中、ちょっとやんちゃな小池のらんまんな表情が、制服の白シャツを虹色に染めていた。やんちゃでもピュアな印象を与えるのが、この頃の小池の特徴。  それから18年あまり、息の長い俳優人生を送っているのは、このやんちゃさが年齢に応じてうまく変化してきたからだろう。  近年は例えば、生田斗真主演の『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』(テレビ朝日、2021年)で、生田扮する脚本家に無理難題を押しつける局のディレクター役など、ぐいぐいくるキャラクターが馴染んでいる。
次のページ 
最高の小悪魔的な演技
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ