日曜劇場に出演中の24歳俳優の両親は“超有名人”。ポテンシャルに納得してしまったワケ
単なる二世俳優なら、そこら中にいるが、ときにごく限られた才能だけが驚異の輝きを放つことがある。
毎週日曜日よる9時から放送されている『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS)にチェリスト役として出演する逸材……。
「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、桁外れのポテンシャルに驚いた本作の佐藤緋美(さとう・ひみ)とは?
西島秀俊主演の『さよならマエストロ』は、クラシック音楽ドラマとしては、ちょうど『のだめカンタービレ』(フジテレビ、2006年)と『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ、2023年)の間くらいの作風だろうか。
リアリティ面では両作に対して明らかに劣勢ながら、それでもどこか魅力を感じるのはなぜだろう?
西島扮する世界的な指揮者・夏目俊平を筆頭に、いつもおどおどしている市役所職員にして晴見フィルハーモニーの楽団長・古谷悟史(玉山鉄二)、ちょっと陰険な同楽団のコンサートマスター・近藤益夫(津田寛治)、それから自由奔放なフルート奏者・倉科瑠李(新木優子)。
などなど、騒がしくも楽しげなキャラクターが揃っている。これはどこか『のだめカンタービレ』的なテンションのにぎやかさでもあるのだが、ひとりだけ妙に静けさに包まれた人物がいる。その人がどうにも気になる。
佐藤緋美は本作でただ一人、静けさに包まれた人物
天才チェリストを入団リクルート
その人の担当楽器は、チェロ。しかも市民オーケストラのレベルではない、超絶的な腕前。コンクール受賞歴もある地元の神童で、ソロCDリリースも早く、輝かしいデビューだった。ただひとつ、息子のマネージャーだった母親のプライドの高さが難点だった。 トランペット奏者・森大輝(宮沢氷魚)の祖父・小村二朗(西田敏行)が、定期演奏会への出演オファーを打診したとき、母親はとんでもないお門違いだと激昂したらしい。そんなこんなで天才チェリストの才能はつぶれてしまうのだ。 今や過去の栄光。それでも現在苦境にある晴見フィルハーモニーにとっては、そんな栄光でもすがりたい。自分たちだけだと実力不足だけれど、マエストロ夏目を擁立すれば説得できるはず。第2話、入団リクルートをするため、その人に会いに行くのだが……。