デビュー5年で朝ドラ・大河に出演!27歳“売れっ子女優”がホラーに挑戦「脳が理解するより先に叫び声が出た」ワケ
2018年にデビューし、まだ5年ほどのキャリアながら年々存在感を増している、俳優の古川琴音さん(27歳)。
連続テレビ小説『エール』、ベルリン国際映画祭 銀熊賞受賞作『偶然と想像』、大河ドラマ『どうする家康』と、着実に階段を上っています。
そんな古川さんにインタビュー。
中学生の頃から演劇部に所属してきた古川さんに、初めて演技を誉められた中学2年生のときのこと、デビューして「プロの現場ならでは」だと感じたこと、ホラーに初挑戦した最新主演作『みなに幸あれ』について聞きました。
――中学、高校、大学と演劇をやってきた古川さんですが、デビュー以降で「これがプロの現場なんだ」と衝撃を受けたことはありましたか?
古川琴音さん(以下、古川):自分のお芝居の仕方が変わったなと感じたのは、『偶然と想像』(2021)の濱口竜介監督とのお仕事です。
セリフの入れ方やカメラの前でどうやって自由になるかといったお芝居の基本は、そこで学んだ気がします。
それとは別に、全体的にプロの現場ならではだと感じたのは、どう演じるかを役者に任せていただいている感覚が強いことです。
――任せてもらっている。
古川:学生の頃はここはダメだとか、面白くないとか、準備段階から感想を言い合う場面が多かったのですが、仕事を始めてからは、そういったことは少なくなりました。
解釈を含めてその役者の責任だったり、感性なんだと、尊重されているからこそだと思います。
学生のときに比べて、厳しいことを言ってくれる人がいないけれど、むしろ厳しいと感じています。ちゃんと責任を持って、自分の感性にも自負を持たなければいけない。
私が演じるんだから、というプライドを持って仕上げなきゃいけないんだと、プロとして全部を任されているのだと思います。
――デビューからまだ約5年ですが、朝ドラや大河ドラマに出演し、主演のドラマ・映画も続いています。これからをどう見据(みす)えていますか?
古川:あまり考えていないんです。そもそもこの仕事が本当にできるとも思っていませんでした。
事務所に入りたてのころは、“ドラマに出られたらいいな”“自分の主演作ができたらいいな”と思っていたのが、いま一つ一つ叶えられている状態です。
この先、もっと自分のお芝居をよくしていきたいという気持ちは当然ありますが、どういった作品に出たいといった希望はなくて、ご縁でしかないと思っています。
――プロでやっていこうと思ったときは、どんなお気持ちだったのでしょう。
古川:やっぱり根幹は好きだからだと思います。昔から飽き性で習い事とかもすぐに辞めてしまっていました。でも演劇だけは、ずっと続けてくることができました。
みんな就職活動をするにあたって、自分の持ち味や得意なことを考えますよね。私も自分を見つめたときに、演じることが人よりもちょっと得意なんじゃないかなと思ったんです。そして、これをお仕事にできたら楽しいんじゃないかなと思いました。
――最初に演技を誉められたときのことは覚えていますか?
古川:はっきり覚えています。中学2年生のときに、1年生の後輩とやった2人芝居で『おやすまなさい』という戯曲がありました。笑う稽古のときに、本当にお腹が痛くなるくらいに笑うことができたんです。
そしたら先生から“今の感覚を覚えておいてほしい”と言って誉められたんです。そのときのことは、はっきり覚えています。

厳しいことを言ってくれる人がいないとむしろ“厳しい”、プロの現場

自分の得意なことを考えたら、演じることかなと

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