乳がんに限らず、何か病気の治療をするときは、最終的な判断は必ず自分で決めてサインをします。
昔のように医師が説明もそこそこに治療をすることはありえないので、逆にすべての治療に対してしっかり調べ、考えて、自分でその治療を受ける覚悟をしなくてはなりません。それはそれで、こちらの精神的な負担が大きくなったのではないかとも思います。
わたしが受けるのはAC療法という治療。3週間に一度の点滴を4回(4クール)、その後別の点滴を週に一度、12回受けるセットです。最初の点滴は投薬後、2週間後に白血球の数値が激減するため、そこで風邪を引きやすく、こじらせやすくなったりするそう。
一番調子が戻るのが次の点滴の直前だということで、そこに発表会のタイミングをぶつけてもらうことにしてスケジュールを組んでもらいました。
それでも白血球の数値が予定通り戻らなかったり、体調不良で抗がん剤の日程がずれることはありますが、そこは気合いでなんとかたどり着くぞ! という意気込みでした。
初日の抗がん剤投与日が決まり、だんだん緊張してきました。抗がん剤治療の前に病院で出会ったがん友とランチ。あれこれおしゃべりして気がまぎれました。彼女はわたしより1週間ほど早く投与を開始するそうですが、私ほど怖がっていないように見えました。
お互い頑張ろうね、と話して別れ、いよいよ抗がん剤初日がやってきました。
私がお世話になっている病院では、乳がんの抗がん剤は通院で受けます。病院までは片道1時間ちょっと。点滴を受けて、途中で気持ち悪くなったらどうしようと不安になり、初回は帰りだけ夫に付き添ってもらうことにしました。
腫瘍内科の先生の診察の後、いよいよ抗がん剤治療ブースへ。てきぱきと手続きされ「ベッドか椅子かご希望ありますか?」と聞かれました。ベッド一択だと思っていたので周りを見渡すと、リクライニングの椅子でも抗がん剤の点滴が受けられる模様。
ですがわたしは超怖がりで卒倒しそうなので、「絶対にベッドでお願いします!」と懇願しました。
ベッドを希望する人のほうが多いので、少し待ち時間が長くなるかもしれませんと言われましたが、そんなのどうでもいいので横になっていたい! と切に希望。激混みのため、点滴まで30分はかかりそうだと言われたので、緊張しながら院内のカフェで時間を潰しました。
気晴らしをしたかったのですが、これから私の体内に入る抗がん剤の副作用が気になって、そんな検索ばかりしてしまいました。早く打たれてしまったほうが良いと早めに待合室に戻ると、ほどなくして順番がやってきました。