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母のガンに「謎の水で治る」と力説した妹。医師家庭で1人学歴コンプレックスがあった彼女が、なぜトンデモ商売に走ったか

「スピリチュアルビジネスをはじめていました。遠隔ヒーリングや、各種占い。霊的な能力開発セッション。 妹のプロフィール写真はダンサーのようなすごいメイクで、卑弥呼のコスプレにジュエリーを盛り付けたかのような、ど派手なものに変わっていました。学歴も、ただの聴講生だったハズの有名大学を、卒業したかのように盛っています。何も知らずにこれを見たら、さぞかし海外で活躍してきた人に見えるでしょうね」 家族がマルチオイル沼202403

「人間関係の相談、乗ります」

SNSで確認できた妹のスピリチュアルサービスは、縄文ヒーリング、波動を調整する古代文字グッズ、チャクラ開放講座etc…… なかなかに強気の価格設定で、メニューが表示されている。一体、客はどれくらいいるのだろう。 家族がマルチオイル沼202403「なかでも私が目を疑ったのは、得意分野が人間関係、恋愛相談とあったこと。否定されると激高して泣き叫びSNSに罵倒と誹謗中傷を書き込み、ときには得意の占い分野で“呪う”とまで脅す妹が人間関係相談……。どんなに迷惑がられても、マルチの健康食品をすごい圧で押し付けてくる妹が人間関係相談……。真に受けて相談に来た人が、困ったことにならないといいのですが」 妹のスピリチュアル商売には、当然マルチの健康食品も合体されている。ヒーリングを施しつつ、セルフケアにとサプリメント等を勧めるのだ。 真子さんも過去さんざんそうされてきたように、「子どもの不調を改善するにはこの商品!」などのアドバイスが混ざりこむのも、容易に想像できてしまう。

マルチ商法の入り口にご注意を

親の支配、確執、学歴コンプレックス、もともとの気質と嗜好。すべてが重なり、なるべくしてなった結果ともいえそうだが、もう少し、世間と家族に受け入れられるようなベクトルの活動がよかったのでは、と思うのは大きなお世話だろうか(大きなお世話なんだろう)。 セカンドキャリアを含む就業のむずかしさから、女性がマルチ商法や謎ビジネスに手を染める例は無限に存在している。真子さんの妹さんも、その典型例であるように思えた。 <取材・文/山田ノジル>
山田ノジル
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、題名に「沼の話」と入れて、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。お話を聞かせていただきたい場合は、こちらから連絡させていただきます。
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